女性産業医のリアルなキャリアとライフ 第2回「ライフイベントとバランス」

現役女性産業医のリアルなキャリアとライフを
川島恵美先生と穂積桜先生に全3回にわたってお話いただきます。聞き手はiCARE代表取締役CEO 山田洋太。
第2回は「ライフイベントとバランス」がテーマです。
転勤/出産に合わせてワークライフバランスを調整

山田
様々なライフイベントがあると思いますが、どのように乗り越えたのかお話を聞かせていただければと思います。

穂積先生
私の大きなライフイベントは結婚して1ヶ月後に夫が上海に転勤になったことです。「日本で常勤の仕事でキャリアを築いていくのはもう無理だな…」と思い、産業医として2015年から嘱託で働き始めました。ありがいことに上海でもお仕事をいただくことができました。それから上海で2週間働いたら、残り2週間を日本で働くという形で1年半くらい仕事をしていました。

山田
めちゃくちゃパワフルじゃないですか(笑)。

穂積先生
日本と上海との半分半分の生活が成り立つくらい嘱託の産業医は自由度が高いです。だから人によっては「働きながら育児に力を入れたい」といったことも可能ですよ!

山田
たしかに。産業医の自由度なら自分でライフイベント、ライフスタイルに合わせて調整がしやすいでしょうね。

穂積先生
大体3年くらいのスパンで、将来を見据えながら目標に向かって仕事を増やしたり減らしたりできるのではないでしょうか。1年だと関係各所が慌ただしくなるので急ですしね。

山田
なるほど。

穂積先生
私、不妊治療してたんですよ。妊活中は突然、「明日クリニックきてください」って言われるので午前中の仕事を控えたりとか。嘱託だからこそできたことですよね。2018年の1月末に出産しました。

山田
思い出してきた。労働衛生コンサルタントの試験を受けれられた時期と、出産の時期が近かったですよね。

穂積先生
そうなんですよ。試験が出産予定日の2週間前でした(笑)。
振り返れば出産ギリギリまで働いてました。
振り返れば出産ギリギリまで働いてました。

川島先生
かなり凄いですね…!

山田
出産の前後ってクライアント対応はどうされていいましたか?

穂積先生
妊娠が発覚してからは仕事量を減らしました。今は17社ですが、その時は5〜10社くらいに減らしたと思います。
他の先生に代理もお願いしてました。後は交渉次第ですがクライアント対応をメールだけにさせてもらったりとか。ありがたいことに出産を機に疎遠になった企業は全く無いです。
他の先生に代理もお願いしてました。後は交渉次第ですがクライアント対応をメールだけにさせてもらったりとか。ありがたいことに出産を機に疎遠になった企業は全く無いです。

山田
それが穂積先生の凄さですよね。日頃からクライアントと信頼関係を構築されていたのですね。川島先生が妊娠出産された時、専属はやめていましたか?

川島先生
やめていました。妊娠発覚時はまだ在籍してましたが、出産後のキャリアはかなり悩みました。このまま専属を続けるか…、それとも嘱託で働きながら大学院に進むか…。最終的にはキャリアアップのために後者を選択しました。
妊娠って本当に大変です。妊娠するのも大変だし、いつ流産になるか分からないから妊娠を継続するの大変。そして産後もちゃんと直ぐに仕事に戻れるか分からない。
妊娠って本当に大変です。妊娠するのも大変だし、いつ流産になるか分からないから妊娠を継続するの大変。そして産後もちゃんと直ぐに仕事に戻れるか分からない。

山田
妊娠発覚後はどのように働きましたか?

川島先生
仮に自分がダメになっても代替で対応してくれる先生が必ずいるクライアントを選んだり。後はWEB対応を快諾してくれるクライアントを選んだり。嘱託で働くからこそできた選択ですね。
専属なら育児産休を申請するのも1つの方法

山田
専属で会社に所属している場合、いわゆる産休育休がとれますよね?

川島先生
やっぱり慣れた環境に戻るとか、リスク管理の意味でも育児産休を使うのは1つの方法ではあると思いますね。

穂積先生
専属だと企業の福利厚生を享受できて、かなりしっかりと育児に専念できるんじゃないかなって良い点もあるなって思ってるんですよね。

山田
なるほど、ありがとうございます。じゃあ今回はちょっとここまでというところで。
次回は「産業医のやりがいと苦労」についてよろしくお願いします。
次回は「産業医のやりがいと苦労」についてよろしくお願いします。