メンタル不調の社員に休職を言い渡すタイミングっていつ? 伝えるべきことって何?

2019.10.18 更新 / 2019.9.17 公開
休職・復職にムリなく対応
メンタル不調の社員に休職を言い渡すタイミングっていつ? 伝えるべきことって何?

人事スタッフや産業衛生スタッフが悩む問題の1つに、休職発令時の対応があります。欠勤が続いているが、休職を発令していいのか、誰が休職を決定するのか、本人にはどのタイミングで伝えるべきか、さまざまな問題があります。今回はこの休職に関する疑問について説明します。後々、休職・復職をめぐってトラブルにならないために、休職前に従業員に伝えておくポイントも解説していきます。

メンタル不調者がいたらタイミングよく休職の見極めを

働くひとの健康を損なわないことは、事業主の責任です。事業主は従業員のメンタルヘルスに取り組むとともに、メンタルヘルス不調の従業員を見抜き、その評価を専門家に行ってもらう必要があります。メンタル面が不調な社員を見抜くポイントは、「いつもとどこか違うな?」というその人らしくない違和感をチェックすることです。チェックするのは、1. 業務上での変化、2. 外見の変化、3. 情緒面での変化の3点です。

  1. 業務上での変化:遅刻・欠勤・早退が目立つようになった、仕事のペースが著しく低下している、ケアレスミスが目立つようなった、きちんと整理されていたデスクが散らかってきた、同僚・上司とのコミュニケーションがうまくいっていない
  2. 外見の変化:顔色が悪い、覇気がない、身だしなみに気を使わなくなった
  3. 情緒面での変化:イライラしている、ネガティブコメントが多い、口数・声が小さくなった、何事にも興味を示さない

この中で最も重要なのが、遅刻・欠勤・早退といった勤務管理上の変化です。メンタルヘルス不調の早期発見・早期改善のためにも、労働日の9割を下回るような勤怠不良があれば、「上司や人事による面談」を行いましょう。上司や人事での面談でチェックするポイントは、「仕事」、「睡眠」、「体調」です。「仕事」以外の項目で、問題があれば病気による影響(疾病性)を考えて、産業医との面談を行いましょう。産業医が月1回のみで早急に対応したい場合は、医療機関への受診を促します。またその際に、就業可否の診断書を提出してもらいましょう。

勤怠不良が改善していない、従業員が受診しない場合、拒否をする場合は、再度面談を行い、上司や人事からの命令として受診を強制します。従業員は企業との契約の中で、自分の体調を管理して労働できる状態にし、事業主からの命令に従う義務があるとされています。主治医や産業医が医学的に治療・休養が必要かを意見し、その意見をもとに上司や人事が休職の可否を判断します。

なお、上司に求められるメンタルヘルスの知識についてはこちらの記事を参照してください。
管理職研修が最も効果的!! マネージャに求められるメンタルヘルスの知識とは?

休職の適切なタイミングと納得感の作り方

医学的に見て、主治医・産業医から休養のため休職が必要と判断され、事業主が休職を決定した時が、従業員に休職を言い渡すタイミングです。休職に至るまでに、上司や人事は一般的に繰り返し本人と話をしているため納得してくれる場合がほとんどですが、まだ納得されない従業員も多いのも事実です。私たちからの経験では、こういう場合2つの方法で納得してもらいます。

  1. 本人の希望通りに休職をしない方向で調整するが、この段階で「2週間の間の勤怠」を通常に戻すことも同時に約束し、もし勤怠不良がこの期間であれば休職とする
  2. 休職の扱いではなく、まずは有給で1〜2週間休み、休み明けの初日に再評価する。有給がない場合には休職の約束をする

本人は、まだ仕事がやれる、休職すると家族からの視線が恥ずかしい等、複雑な心境であることは事実です。従って、「ルールの中で強制して休職にする」のも1つですが、「自分のコンディションが悪く、休みが必要なのだ」という納得感を醸成する期間を設置するとスムーズにいきます。

メンタル不良の従業員を無理に働かせると、症状が悪化し、さらに悪い事態を引き起こし、会社がその責任を負います。休職は解雇ではなく、体調を良くして復職するための休養期間であり、体調が改善したら復職できることを伝え、安心して療養に入れるようサポートしていきましょう。「休職」と聞くとネガティブなイメージをもってしまう人も少なくありません。

今まで「働き続けてきたのだからカラダとココロにも休みをあげることも大切」であり、新たに再出発するための手段だと、前向きにとらえられるような関わり方をしていくことも従業員との信頼関係を築くうえで大切です。

休職のタイミングで従業員に伝えると安心なこと

従業員と事業主の間でトラブルなく休職期間、復職までもっていくために、休職前に従業員に伝えることがあります。

1. 休職の目的を明確に本人に伝えましょう。

休職の目的を理解し、復職に向けた生活を送ることが体調を良くするために大切だからです。近年、休職中に遊びに行った様子をSNSでアップし、職場の同僚の反感をかうケースも多くなりました。復職後、働きづらい環境を作らないためにも、休職中にやったほうがよいこと、行わないほうがいいことのアドバイスも必要です。

2. 休職開始~休職中~職場復帰までのおおまかな流れや、ルールを説明しましょう。

これらを説明するときはパンフレットなど書面で説明すると、わかりやすく、あとからも見直しやすくなります。

パンフレットに入れる項目としては、

  • 休職中の会社との連絡方法
  • 休職中の生活や復職までの生活における決まりごとの説明
  • 休職中の給与や傷病手当金
  • 休職時や復職時に必要な書類
  • 休職可能な期間等

生活における決まりごとは復職に向け、規則正しい生活を送り、それを会社側も把握するために必要です。病態が安定し、復職に近づいたら、生活リズム表を記入してもらうことも伝えておきましょう。また書類上の決まりごとでは、給与や傷病手当金、休職可能な期間など本人の経済面に関することも伝えることで、生活の安心感につながるとともに、どれくらいを目安に復帰を目指すのかなど具体的な部分の理解につながります。

さいごに

休職は伝え方や、休職前の説明内容で捉え方が大きく変わってきます。復職に向け、休職中の関わりが重要なのはもちろんですが、休職前の適切なタイミングでしっかりと説明をすることで、休職への本人の理解が得られるだけではなく、その後のコミュニケーションも取りやすくなります。

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