【図でわかりやすく説明】ストレスチェックの運用

労働安全衛生法の一部改正に伴うストレスチェックの流れについて、実際の運用を説明します。
まず何を準備したらいいのか、次に何をすればいいのか、人事が押さえておきたい一連の流れをわかりやすく紹介します。
【本記事のポイント】
☑ ストレスチェックの運用は実施前、実施、実施後の手順が必要!
☑ PDCAをまわすことで運用を改善し次年度につなげることが重要!
ストレスチェックの義務化が始まります
ストレスチェック制度の義務化が12月よりスタートしました。
労働安全衛生法の一部改正に伴う新ストレスチェックの流れを人事労務担当者は十分に理解していないと、スムーズな運用は出来ません。
一連の流れを掴み、新制度のストレスチェックの運用に備え、体制を整えておきましょう。
ここから全体版をダウンロードして下さい!
「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」
衛生委員会で審議する事項や、規則のサンプルなどがあり、かなり重要なマニュアルとなっています。

※ 大きい表を1番下においてありますので、印刷してご使用ください。
ストレスチェックの運用:実施前にしなければならない3ステップ

【1】現状確認
事業者は、各事業所で現在行われている取組みも十分考慮し、どのような形でストレスチェックを行うか方針を決めます。
【2】衛生委員会
次に、その事業者の方針に沿って、衛生委員会で審議を行います。
新しいストレスチェックの運用が始まって想定される、様々な懸案事項について審議を重ねていきます。
情報の取り扱い、ストレスチェックの結果の保存方法の検討、ストレスチェック結果の利用目的および利用方法などを明確化していきます。
情報の取り扱いに関する苦情の処理、対応方法、あらゆる場面での不利益な取り扱い防止のための対策など実施体制を確立していきます。
【3】労働者への説明
衛生委員会で審議が固まったら、労働者に新しいストレスチェックの目的、実施体制、実施方法などの情報提供を行い、あたらしく始まるストレスチェックについて説明を行います。

ストレスチェックの運用:実施

【ストレスチェックの実施】
医師、保健師などの実施者がストレスチェックを実施します。
ストレスチェック制度では、健康診断とは別の枠組みなので、労働者の自述式アンケート形式で記入されたものを医師または保健師が判定して、高ストレス状態と判断する方法をとることもできます。
一般の健康診断と同時に実施することも可能ですが、結果の取り扱いに違いがありますのでその点は注意が必要です。


ストレスチェックの運用:実施後に行う2つのこと

① 個人分析を行う
実施者はストレスチェック結果を労働者に直接通知します。
必要に応じて相談窓口の情報を提供(※1)し、労働者がセルフケアを行えるように援助します。
実施者は労働者にストレスチェックの結果を事業主に通知してもいいか、同意の有無を確認します(※2)。
同意が得られれば、事業主へ結果の通知を行うことができます(※3)が、同意を得なければ事業者への通知を行うことは禁じられています。
但し、多くの人事の方がまさに個々で悩むことが多いです。高ストレスの判定後に、産業医の面談を希望される場合は、そのまま日程調整をすればよいのですが、希望をしない場合には高ストレス者がそのままになってしまいます。そこでその集団への対応方法について議論されることがあります。高ストレス者対応でお悩みの場合は、この記事もしくは、弊社までお問い合わせ下さい。
② 集団分析を行う(努力義務)
実施者は、ストレスチェックの結果を職場、部署や課などのグループごとに集団的分析を行います。
グループごとの集団的分析が評価されたら、実施者は事業者にその結果を提供します。
これらの集団的分析を、職場環境の改善、従業員の健康リスクの早期発見のために活かし活用していきます。
随時、職場環境の点検、確認と改善事項を継続して検討していきます。
ストレスチェック運用の「キモ」:高ストレス者の取扱い

① 実施者は高ストレス者に面接指導の申出の勧奨を行います。
② 労働者から事業者へ面接指導の申出をします。
この申出は、産業医を通じての面接指導の申出も可能です。
労働者の申出を理由とした不利益な取り扱いは禁止されています。労働担当者として不利益な取り扱いの防止に努めましょう。
③ 面接指導の申出があったら、事業者は医師(産業医、地域産業保健センターなど)へ面接指導実施の依頼を行います。
④ 医師による高ストレス者への面接指導を実施。
高ストレス者の状態に応じて、必要な専門機関や相談機関を紹介します。
事業者は医師からの意見を聴取し、面接記録の結果を記録します。
⑤ 医師は時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べます。
⑥ 医師の面接結果から、高ストレス者に対し、必要に応じて就業上の措置を実施します。
労働者の実情を考慮し、就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮や深夜業の回数の減少などの措置を行います。
面接指導結果を理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。不利益な取り扱いの防止に努めましょう。
ストレスチェックの運用:全体の評価を行う

ストレスチェックの運用に問題はないか全体的な評価を行います。さらに面接指導の実施状況の点検・確認と改善事項の検討を行っていきます。
それを衛生委員会でテーマとして取り上げて、PDCAをまわす運用になります。

安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会報告書

↓↓↓ ストレスチェック関連の要チェック記事
★ ストレスチェック組織集団分析のやり方はこちら ↓↓↓
・「ストレスチェックは組織集団分析こそが最大のミッション!」
★ 義務化された内容について詳しく知りたい方はこちら ↓↓↓
・「義務化スタート!! 「ストレスチェック制度」で生じる7つの義務」
★ ストレスチェックの実施者にお悩みの方はこちら ↓↓↓
・「ストレスチェック実施者を機能させる3つの役割」
★ ストレスチェックの運用でお困りの方はこちら ↓↓↓
・「ストレスチェックの義務化で悩むのは損!」
★ ストレスチェックの表を見ながら理解を深めたいひとはこちら ↓↓↓
・「【図でわかりやすく説明】ストレスチェックの運用」
★ ストレスチェックで発生する高ストレス社員はどうするのか ↓↓↓
・「人事が学ぶストレスチェック後の高ストレス者対応」
★ 健康診断との違いについて知りたいかたはこちら ↓↓↓
・「「ストレスチェック」と「健康診断」、結局どこがどう違う?」
★ ストレスチェック「3つの領域」を詳しく知りたいかたはこちら ↓↓↓
・「【ストレスチェック項目】3領域見れば社員が分かる」