【人事・産業医必見!】「主治医が傷病手当金書いてくれない」と相談されたら

2020年12月1日 更新 / 2020年12月1日 公開
休職・復職にムリなく対応

意外と社員の休職中の手当の傷病手当金の申請で人事も産業医も困ることが多いでしょう。

よくあるのがこれ!

社員から「傷病手当金について申請書をクリニックに渡したが、主治医が記載してくれない」と相談してくるパターン です。傷病手当金を申請する際には療養担当者の意見の記入が必須です。人事も産業医も社員も困ってしまいますよね。しかし就業規則や保険組合の都合もあ り、どうしていますか?

今回はそんな緊急事態にそなえて主治医の意見書がもらえないときの対策を書いていきます!

傷病手当金が支給されるには?

以下の条件をすべて満たすと支給対象になります。

①仕事以外でかかった病気、ケガを治すための休業であること

②病気やケガのために仕事に就くことができないこと

③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

④休業した期間について給与の支払いがないこと

詳しくは→病気やケガで会社を休んだとき

傷病手当金の困ったケースに産業医の出番あり!

傷病手当金の申請時に「主治医から意見書を書いてもらえないとき」の対策です。

実は、人事や産業医の先生の多くが、傷病手当金の療養担当者=主治医と考えていると思います。

そのとおりなのです。

しかし必ずしも主治医のみがというわけではないようです。

厚労省から健康保険組合へ保健局保険課から平成26年9月1日付けで「傷病手当金の支給に係る産業医の意見の取扱いについて」というQ&A形式で事務連絡されています。

その資料によれば、意見書を作成する医師等(医師または歯科医)は被保険者の主症状と経過の概要などを記載することとされていることから、『被保険者が診療を受けている医師等が書く』必要があります。

ということは…診療を受けている医師が企業内の産業医だったら、病院に居る医師でなくても産業医が意見書を作成することは問題無いのです!

※医療法の規定に基づき企業内に診療所などがないと産業医が意見書を書くことができないので注意して下さい。さら に診療を受けている医師等から、働ける状態にないことの意見が貰えなかった場合、医師等と別の産業医に対して働けるかどうかの意見を求めることができ、そ の産業医に書類を作成してもらい、保険者に提出することもできます

主治医と産業医の意見が分かれてしまった…

職場復帰の可否について産業医と主治医双方に意見を求めた結果、主治医は仕事に出ても大丈夫だという一方、産業医にはまだ療養の必要があると言われたときでも傷病手当金は支給されるのでしょうか。

答えはYESです。

実は職場復帰ができるかどうかの判断には、保険者が主治医の見解だけに従う必要はなく、被保険者の業務がどのよう なものかを考えて、被保険者が仕事に耐えられるかどうかを判断することができる、という考えが(昭和31年1月19日保文発第340号)にて示されている のです。

保険者に対して、被保険者が診療を受けている主治医の意見に加え、産業医からの就業についての意見も参考にし、傷病手当金を支給するかどうか考えてほしいと言うことができるのです。

復帰できるかは主治医の判断だけじゃない

メンタルヘルスの不調によって被保険者が休業している場合などを踏まえ、職場復帰についての判断は産業医をはじめ とする産業保健スタッフなどが主治医に対し、あらかじめ被保険者の仕事内容やその仕事ではどんな能力が必要なのかという情報を提供することが望ましいとさ れています。

主治医の診断は、日常生活を普通に送れるかどうかを基準としていることが多く、病状は回復していると判断された場合も、職場で求められる能力を発揮できるかどうかの判断かはわからないためです。

社員の仕事に関して主治医の理解があるとは限らないため、理解のある産業医をはじめとする産業保健スタッフの協力と情報提供が必要というわけなのです。

これを伝えてあげられれば社員も安心して療養に専念できますね。

傷病手当金で困るケースについてまとめました。
休業中のケアも大切ですが、職場復帰後のサポートも是非!新たな問題は浮上していないか、病気の再発はしていないか、治療状況や勤務状況のチェックなど人事担当者の方は産業保健スタッフの方たちと協力して支援してあげてください。

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