休職中に放置はNG!! 復職に効果的な社員対応3つのポイント!!

2019.8.29 更新 / 2019.8.29 公開
休職・復職にムリなく対応
休職中に放置はNG!! 復職に効果的な社員対応3つのポイント!!

産業衛生スタッフや人事にとって大きな課題のひとつと言えるのが、メンタルヘルス不調による休職者への対応です。休職中の社員とどのように関わっていくべきなのか悩む担当者も多いのではないでしょうか。休職中の社員対応は復職を支援する上で避けては通れません。

厚生労働省の発表によると、職業生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者は約6割に上っており、またメンタルヘルス上の理由により連続1カ月以上休業または退職した労働者がいる事業場は7.6%となっています。一見少なく思えるかも知れませんが、事業場の規模が300人を超えると、メンタル不調者が発生している割合は60%を優に越えています。

1,000人以上規模の事業場では、9割以上メンタルヘルス不調者が発生しています。メンタルヘルス不調者の出現は決して他人事ではないのです。メンタル不調者の職場復帰は、労働者やその家族にとってだけではなく事業主にとっても極めて重要な課題といえます。休職者がでたときに適切な対応を取ることが事業主に求められているのです。今回は復職に向けプラスになる、休職中の社員対応についてポイントを解説していきます。

労働者健康状況調査(平成19年)より
「メンタルヘルス上の理由により休業・退職した労働者の有無」

厚生労働省 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(PDF)より

ポイント1 休職のルールは事前にしっかり説明を…!

まず必要なのが、休職の目的を本人に伝えることです。本人が休職の目的を理解していないと適切な復帰支援にはつながりません。中には休職中にSNSをアップすることで、遊んでいる様子が職場の人に伝わり、反感をかってしまうケースもあります。何のために休職をするのか、休職中はどのような行動に気をつけるべきなのかを伝えることで、リスク回避につながるのです。

また休職に入るときは、休職開始~休職中~職場復帰までのおおまかな流れや、休職中に実施すべき事項を説明しましょう。これらを説明するときはパンフレットなど書面で説明すると、わかりやすく、あとからも見直しやすくなります。他にパンフレットに入れる項目としては、“休職中の会社とのコンタクト方法”“休職中の生活について”“休職中の給与・傷病手当金”“休職時・復職時に必要な書類”“休職可能な期間”などがあげられます。給与や休職可能な期間など、本人の経済面に関することも入れると、生活の安心感につながります

ポイント2 休職中のコンタクトは復職の足がかりになる!

休職者を支援するうえで重要なのが休職中もコンタクトを取ることです。「会社関係者は、休職中に連絡を取ってはいけないのではないか」、「休職中に連絡を取る際はどのような方法がいいのか」と悩んでいる人も少なくはないのではないでしょうか。復職を目指すうえで、休職中にコンタクトをとることは、様々なメリットがあります。例えば、会社が休職者の状況を把握できるということです。状況を把握することで復職に向けた介入もしやすくなるでしょう。また、休職中にコンタクトを取る事で、休職中の経済的、将来的な不安を軽減するための対応ができることから、休職者が安心して療養できるようになるというメリットもあります。休職者にとっても会社ならびに社会とのつながりを持っておくことは、復職をする上で、第一歩となるでしょう。しかし、休職の原因が職場の人間関係や勤務状況にある場合、コンタクトをとる人や方法を慎重に考える必要があります。

また、休職直後にコンタクトを取り始めてしまうと、会社からの連絡がプレッシャーになる、ストレスになるといった恐れがあります。そのためコンタクトを取り始める時期にも配慮が必要です。コンタクトの取り方としては、連絡の頻度、連絡の取り方、連絡の窓口となる人をあらかじめ決めておき、書面を用いて会社側と休職者で共有しておく必要があります。休職時に本人に渡すパンフレットで事前に共有しておくことが有効です。あらかじめ「月に1回、メールで治療状況・起床時間などの生活リズムを直属上司あてに連絡する」といったように、「連絡頻度・連絡手段・何を共有するか・誰に連絡するか」といった詳細について決めておくとスムーズです。

連絡頻度や連絡手段は本人の病状に合わせ、2カ月に1回→1カ月に1回、メール→対面などと変えていくと有効です。本人とのコンタクトを通じて得られた情報を記録に残し関係者(主に産業衛生スタッフ)で共有すると、より手厚い支援をすることができるでしょう。また休職者とコンタクトを取る上で重要なのが、窓口を1人にすることです。窓口が複数いると、対応や説明の違いにより困惑してしまう恐れがあるからです。

ポイント3 病状の回復後は、社員それぞれに合わせたプランを!

職場復帰は休職の判断と同様に、産業医・主治医の判断のもと、事業主が決定します。

主治医は、日常生活における病状の回復によって職場復帰が可能と判断することが多いため、必ずしも業務が遂行できる程度に回復しているとは限りません。そのため、復職後に求められる業務を遂行できるかどうかについて自社の産業医と相談したうえで、復職に踏み切る必要があります。

休職者の病状が快方に向かったら、復職に向け生活リズムが整っているか見極める必要があります。事業者側が休職者の生活リズムを把握するために、生活記録表をつけてもらうことをおすすめします。生活記録表をつけることで、起床時間や日中の過ごし方などが客観視しやすくなり、復職判断における基準のひとつとなります。自身で生活リズムを整えることが難しい場合や、過去に復職に失敗した経緯がある場合は、リワーク支援施設を提案するのもひとつの方法です。休職者に職場復帰の意思があり、主治医からも職場復帰が可能と判断されたら、職場復帰のための具体的なプランを立て検討していきます。職場復帰の支援プランでは、時差勤務の導入や残業・休日勤務の禁止など就業上の配慮や、職場復帰後の上司や産業衛生スタッフによるフォローアップ方針を検討し、復職後のスムーズな就業につなげます。

これらの段階を経て、休職者の状態や職場の準備状況の両方を考慮し、復職のタイミングを総合的に判断する必要があるのです。

さいごに

休職者がでた場合は適切な支援を行い、復職につなげることで、会社にとって貴重な人“財”を失わずに済みます。休職中の社員対応は休職理由や症状、また対象者の性格によってもアプローチの方法を変える必要があるため、難しいですが、ぜひ3つのポイントを活用し、産業保健に役立てていきましょう。

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