「メンタルのための休職・復職規程」7つのポイント!!

2020年5月18日 更新 / 2019年9月17日 公開
休職・復職にムリなく対応
休職・復職には、規程が必須

メンタルヘルス不調による休職者は増加しており、産業衛生スタッフや人事スタッフ、管理職にとって、休職者の復職を成功させることは大きな課題と言えるでしょう。復職を成功させるには、会社の規程が整っているおり、適切なアプローチを行うことが重要です。復職を成功させるために、規程にはどのようなことを定めたらいいのか。今回はこのテーマを解説していきます。

休職・復職には、規程が必須!

休職とは、法律上必ずしも定める必要のある制度ではありません。会社側が福利厚生の一環や、解雇猶予措置として定めているのです。そのためどれくらいの期間休職できるのか、休職中の賃金はどうなるか、といった細かい決まりも全て会社の判断に委ねられています。

休職の中でも、近年増えており、人事の頭を悩ますのは「メンタルヘルス不調による休職」です。メンタルヘルス不調の場合、本人に病気という自覚があるケースとないケースがあります。病気という自覚があるケースは、自ら休職を望む場合が多いですが、問題なのは自覚がない場合です。このような人を休職に導くために必要なのが、「統一したルール=休職規程」なのです。

メンタルヘルス不調の場合、休職が長期に渡ったり、繰り返したりする可能性があるため、従来の規程では対応しきれないこともあります。そのため休職に焦点を当てた規程を作成するようにしましょう。

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休職・復職するための規程7つのポイント

休職・復職において、公平に統一した対応を行うためには、ルールを明確にして、規程として定める必要があります。人によって対応が異なると、不満やトラブルの原因となり得るため、規程に基づいた対応を行いましょう。

では休職・復職規程に記載すべき7つの項目をポイントと共に説明します。

1. 休職の適応

どのような場合に休職の適応になるかを記載しましょう。

例)業務外の傷病により2週間で2日相当の欠勤を認めた場合
明らかに業務遂行性が著しく低下しており、上長や人事部、産業医が就労不能と判断した場合

ポイント

  • 「業務外の傷病により2週間で2日相当の欠勤を認めた場合」と記載することでメンタル不調の状態から休職になることを統一ルールにしておきます。体調がうまく立ち上がらない場合や休みがちな復職者にとても重要になります。2週間〜4週間単位ごとに◯日の欠勤相当が認められた場合とするのが一般的です。体調の波は、2週間単位であることが多く、その場合明らかな労務不能が労働日の90%とすれば、3日以上の欠勤は労務上の問題となります。従って2週間であれば2日相当、4週間だと3日が妥当かもしれません。欠勤相当とは、遅刻早退を0.5日とカウントした場合となります。
  • 疾病性や業務遂行が可能かどうかを医療者以外が判断するのは難しいですよね。そのような時のために、「会社が指定する医療機関に受診することを命ずることがある」と明記しておくと、判断が難しい場合や休職を拒否している場合、専門家に判断を委ねることができます

2. 診断書の提出

会社は安全配慮義務に基づき、従業員の病状を把握し就業における配慮を行わなければなりません。そこで「状態の正確な把握」を行うために必要なことが専門家医師の診断書です。

再休職を施行するための判断材料にするため、主治医の診断書の提出を必須としましょう。復職時も同様に、主治医の「復職可」の診断書が必要な旨を記載しましょう。

ポイント

  • 診断書には「20××年○月△日~20××年○月△日」、もしくは「20××年○月△日~3カ月間」のように、期限を設ける必要があります。休職期間中は、この期限が一日も途切れないよう診断書を提出することもルールとしましょう。

3. 休職期間

休職中の会社の負担はゼロではありません。従業員が会社に在籍している限り、会社は国に社会保険料を納めなくてはなりません。また復職をするためには、条件として「従前の職務を通常通りに行える健康状態に回復していること(もしくは軽作業から始め、徐々に従前の業務を行える見込みがあること)」となります。

健康状態が回復するために必要な期間は様々です。休職可能な期間は必ずルールとして定め、明記しましょう。勤続年数や雇用形態により休職期間に差をつける場合は、その旨も記載しましょう。

ポイント

  • 協会けんぽのメンタル不調者の平均傷病手当金の支給期間は220日となっています。メンタル不調者は、復職するまでに6カ月超かかることを意味しています。現時点で休職期間が3カ月の場合、多くのケースで特別対応となってしまうために人事の負担は非常に増えてしまいます。それであれば、休職期間を6カ月もしくは1年位に設定することで現実的な対応が可能となります。
  • 復職してから数カ月でまた休職してしまうケースに対応して、休職期間が通算できる仕組みにする。
  • 休職期間は勤続年数に算入しないことを明記する。勤続年数は退職金支払いの際にトラブルになりやすいため、あらかじめ明記しておくことをおすすめします。

4. 休職期間中の賃金の支払い

休職者にとって、経済的問題は特に気になる点です。会社によって、休職中会社から賃金が払われるのか、無給なのかは異なります。後々、金銭的なトラブルになることを避けるためにも、賃金に関することは明確にし、一貫した対応を行いましょう。

ポイント

  • これは規程に定める必要はありませんが、休職中会社から賃金の支払いがない場合、健康保険組合から傷病手当金が支給されます。この傷病手当金は賃金の3分の2の金額が支給されるため、収入が一気に0になるわけではありません。金銭面で不安を感じている人には、このことを伝えてあげるだけでも安心につながると思います。

5. 復職に関する定め

傷病による休職の場合、復職をするためには「休職の事由がなくなったら=体調が就業に問題ない程度に回復したら」が条件になります。当該事由がなくなったと会社が判断した場合、復職できることを明記しましょう。

ポイント

  • 傷病による休職の場合、主治医の「復職可の診断書」と、産業医の「復職可の意見書」を判断材料として、会社(=事業主)が復職を決定します。主治医、産業医の見解はあくまで意見の一つであるため、復職可だからといって必ず復職させなければいけないわけではありません。最終的な決定権は会社にあることを忘れないようにしましょう。

6. 休職期間満了時の適応

会社が定める休職可能期間内に復職できない場合、休職中の従業員と会社の雇用関係を、休職期間満了を理由に終了となります。退職時にトラブルにならないよう、その旨も明記しましょう。

ポイント

  • 休職期間満了による退職は、自然退職と解雇があります。ここで重要なのがどちらにするかです。自然退職の場合は、休職期間のリミットが来ると自動的に退職になります。一方で解雇にする場合は、30日前までに本人に同意を得なければなりません。この解雇への同意は本人も抵抗がある場合が多く、なかなかスムーズにすすまない部分です。そのため、「休職期間満了時は自然退職となる」と定めることをおすすめします。

7. 再休職、再発時の取扱い

メンタルヘルス不調の場合、休職と復職を繰り返すケースも多いため、再休職や再発時の決まりについても明記しましょう。

例)復職して○カ月以内に同一または類似の疾患により、再度欠勤した場合は、休職期間を通算する

ポイント

  • 実際に行う場合、判断が難しいのは、再度欠勤した際の事由が「同一の事由」なのか「異なる事由」なのかでしょう。疾病に関する判断は、医療知識がないと困難であるため、主治医や産業医など専門家の意見を聞いて、慎重に判断しましょう。

さいごに

休職・復職はルールをしっかり定め、一貫した対応を行うことが重要です。提出させると決めた書類は提出させ、復職の基準は遵守しないと、ルールに基づいて行動した人の不満を募らせてしまいます。あくまで休職は会社が福利厚生として従業員に提供するものであるため、ただ単に手厚くするのではなく、会社の規模や実情に合ったルールを定めて施行するようにしましょう。

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