「選任」のときに悩みますよね?事業場の範囲って。ポイントはコレ!

2019.9.2 更新 / 2019.9.2 公開
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「選任」のときに悩みますよね?事業場の範囲って。ポイントはコレ!

安全衛生法(以下「安衛法」)は、職場の安全管理体制を整えましょうという法律なのですが、その為に事業場ごとに整備しなければいけないものもたくさんあります。この事業場は、一体どういうものなのでしょうか?

事業場の原則は「場所×労働の状態」

1.場所

安衛法で「事業場」は、同じ場所で相関連する組織的な作業をできる場所のことで、労働基準法の「事業場」と同じ概 念です。同じ会社の事務所でも、北海道と沖縄にあればそれは別々の事業場として扱います。事業場は、事業所をさらに業態ごとに分けたものなので、事業所と 事業場は別のものです。

2.労働の状態

労働者の安全を守ったり、労災を防止すると言っても、労働の状態によって管理すべき内容に違いがあります。このためより重視するのことが、事務作業と工場での労働で違うのは当然です。

例)A社には、東京本社・大阪支社・千葉工場があり、それぞれに食堂、医務室があったとします。この場合の事業所、事業場は下記のようになります。

事業所:東京本社・大阪支社・千葉工場

事業場:東京本社・大阪支社・千葉工場、東京本社食堂、大阪支社食堂、千葉工場食堂、東京本社医務室、大阪支社医務室、千葉工場医務室

事業場の例外

1.規模があまりにも小さすぎる場合

1つの事業場か?ということは原則として場所で判断するのですが、例外もあります。例えば、新聞社の支局のように 数人の記者がいるだけの職場は、規模があまりにも小さすぎてそこだけを独立して見た場合に組織的なまとまりのある事業場とは言えないので、近くにあるその 新聞社の上位機構に包括されます。

同じ場所にあっても、独立した組織としてのまとまりがあるかどうか?という部分を見ます。でも、規模があまりにも小さすぎると、安衛法上の事業場にはなりません。

2.1つの組織としての独立性がない場合

場所が違っても、一つの事業場になるものもあります。例えば、道を一本挟んで2つの工場があった場合等です。どち らか片方だけにタイムカードがあったり、片方だけに更衣室があったりして2つの工場の労働者が両方の施設を使って業務に就く場合等は、2つの工場は場所は 別ですが一つの事業場として扱います。

事業場ごとの選任

それぞれの事業場で人数が50人以上であれば整備しなければいけないことがあります。一覧を見て下さい。ただし、業種によっては50人未満でも必要なものがありますから、注意が必要です。

事業場ごとの選任一覧表

工事現場などの一つの事業場に下請が混在する場合は、次の担当者を選任しなければなりません。

工場現場の責任者、管理者一覧

ざっと見ただけでも、これだけのものを「事業場」単位で選任等する必要があります。

繰り返しますが、まずは場所を見ます。次に労働の状態が同じか別かということを見ます。どちらも同じだった場合に は、原則として一つの事業場と考えます。同じ場所にあっても、業種が違う場合には大抵の場合には、労働の状態も違いますから、上記の事業場の例外に当たら ないかどうかということに気をつけてください。

事業場内の業種

同じ会社に所属する事業場でも、事業場ごとに人数や業種が違うことは多々あります。例えば、食品加工メーカーの場合を例に考えてみましょう。事業主の業種の区分は、その業態応じて個別に判断します。

例)食品加工メーカー

会社全体で1,200人の従業員

事業場の範囲、食品加工メーカーの例

この場合、A支社と場所的に近い規模がとても小さいE支店はA支社に包括されて、同じ事業場と考えます。ですから、この会社で安衛法上の選任を考えなければいけない事業場は本社、A支社+E支店、B工場、C工場、D支社の5つです。

【最後に】

安衛法の規定に基づく選任は「事業場」単位で行いますが、原則として「場所+労働の状態」で見るということはイメージできましたか?同じ場所にあっても、業種によって選任に違いも出てきますから注意してくださいね。

<参考WEBオススメ>

厚生労働省 東京労働局
→「総括安全衛生管理者」 「安全管理者」 「衛生管理者」 「産業医」のあらまし

独立行政法人 労働者健康福祉機構 東京産業保健推進センター 労働衛生のハンドブック 平成22年度版
→ 13ページ目 総括安全衛生管理者等の選任の図。まとまっていて分かりやすいです。
→ コラム「事業場」とは? 「事業場の業種」とは?

安全衛生管理体制(神戸市編)
→安全衛生管理体制

厚生労働省
→ 13ページ目 総括安全衛生管理者等の選任の図。まとまっていて分かりやすいです。

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