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2022年7月7日 更新 / 2019年9月2日 公開

事業場に応じて必要な選任。安全衛生法で定義する事業場の範囲とは?

「選任」のときに悩みますよね?事業場の範囲って。ポイントはコレ!

安全衛生法(以下「安衛法」)は、職場の安全管理体制を整えましょうという法律ですが、その為に事業場ごとに整備しなければいけないものもたくさんあります。まず事業場ごとの選任から見ていきましょう。ご不明な時はお近くの労働基準監督署へお問い合わせください。

事業場ごとの選任

従業員が50人以上の事業場では、産業医や衛生管理者など選任しなくてはいけません。以下の選任リストをご確認ください。ただし業種によっては50人未満でも必要なものがありますから、注意が必要です。

統括安全衛生管理者屋外的業種は労働者100人以上等厚生労働省HP
衛生管理者全業種50人以上厚生労働省HP
安全管理者屋外・工業的業種50人以上厚生労働省HP
産業医全業種50人以上厚生労働省PDF
衛生委員会全業種50人以上厚生労働省HP
安全委員会屋外・工業的業種50人以上
(まとめて安全衛生委員会でも可)
厚生労働省HP
作業主任者危険有害作業ごと厚生労働省PDF
衛生推進者非工業的業種10人以上50人未満厚生労働省HP
安全衛生推進者主に工業的業種10人以上50人未満厚生労働省HP

※業種によっては、100人以上で選任の場合もあります。

事業場内で下請が混在する場合

工事現場などの一つの事業場に下請が混在する場合は、次の担当者を選任しなければなりません。

統括安全衛生責任者建設業・製造業
元方安全衛生管理者建設業のみ
店社安全衛生管理者ずい道・圧気工法・橋梁建設など

選任しなければならない場合の事業場人数が分かったところで、そもそも事業場の範囲はどこまでなのか見ていきます。

事業場は場所だけでなく労働の状態でも異なる

場所

安衛法で「事業場」は、同じ場所で相関連する組織的な作業をできる場所のことで、労働基準法の「事業場」と同じ概念です。同じ会社の事務所でも、北海道と沖縄にあればそれは別々の事業場として扱います。事業場は、事業所をさらに業態ごとに分けたものなので、事業所と 事業場は別のものです。

労働の状態

同じ事業所であっても、事務作業と工場で労働の状態が異なります。そのため労働者の安全を守ったり労災を防止するために、事業場をわけなくてはいけません。

例)A社には、東京本社・大阪支社・千葉工場があり、それぞれに食堂、医務室があったとします。この場合の事業所、事業場は下記のようになります。

事業所
東京本社・大阪支社・千葉工場
事業場
東京本社・大阪支社・千葉工場、東京本社食堂、大阪支社食堂、千葉工場食堂、東京本社医務室、大阪支社医務室、千葉工場医務室

事業場の例外

規模があまりにも小さすぎる場合

1つの事業場か?ということは原則として場所で判断しますが、例外もあります。

例えば新聞社の支局のように数人の記者がいるだけの職場は、規模があまりにも小さすぎ、そこだけを独立して見た場合に組織的なまとまりのある事業場とは言えないので、近くにあるその新聞社の上位機構に包括されます。

同じ場所にあっても、独立した組織としてのまとまりがあるかどうか?という部分を見ます。ただ規模があまりにも小さすぎると、安衛法上の事業場にはなりません。

1つの組織としての独立性がない場合

場所が違っても、一つの事業場になるものもあります。例えば道を一本挟んで2つの工場があった場合等です。

どちらか片方だけにタイムカードがあったり、片方だけに更衣室があったりして2つの工場の労働者が両方の施設を使って業務に就く場合等は、2つの工場は場所は 別ですが一つの事業場として扱います。

事業場内に異なる業種がある場合の選任

同じ会社に所属する事業場でも、事業場ごとに人数や業種が違う場合が多々あります。食品加工メーカーの場合を例に考えてみましょう。事業主の業種の区分は、その業態応じて個別に判断します。

例)食品加工メーカー
会社全体で1,200人の従業員

この場合、A支社と場所的に近い規模がとても小さいE支店はA支社に包括されて、同じ事業場と考えます。ですから、この会社で安衛法上の選任を考えなければいけない事業場は[本社]、[A支社+E支店]、[B工場]、[C工場]、[D支社]の5つです。

さいごに

安衛法の規定に基づく選任は「事業場」単位で行いますが、原則として「場所+労働の状態」で見るということはイメージできましたか?同じ場所にあっても、業種によって選任に違いも出てきますから注意してくださいね。

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執筆・監修

  • Carely編集部
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    Carely編集部
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