3つのポイントで過重労働の面接指導を実施しやすくする

2019.9.9 更新 / 2019.9.9 公開
過重労働対策を自動化
3つのポイントで過重労働の面接指導を実施しやすくする

過重労働で、疲労が蓄積すると健康障害を起こす危険性が高まります。

やむを得ず長時間にわたる時間外労働や、休日労働を行った労働者に対しては、平成20年4月1日より医師による面接指導を行うことが義務付けられました。

過重労働者の労働時間に基準を決めて、健康状態を確認し、長時間労働と関係が深い脳・心臓の疾患の発症を予防することが、面接指導の最大の目的です。

労働者が、自覚症状を訴えていない場合でも会社は健康状態をチェックする必要があります。最近の傾向では業務の困難さがそこにあったとしても会社側の責任を重く考えます!

※山田製作所事件、東芝事件を参照

過重労働の面接指導には、人事労務がカギ!

労働安全衛生法によって、常時50人以上の従業員が従事する事業所では、衛生管理者を1人おくことが義務付けられています。人事労務を担当しているひとと衛生管理者を兼務する場合が多いので、面接指導に関わることが必然と多くなります。衛生管理者は事業所内の、労働問題や環境問題のあれこれを審議し、改善のための対策を専門にする役割があります。

過重労働者の面接指導も、人事労務や衛生管理者が中心となって働きかける部分がメインになります。衛生管理委員会を作り、その機能が円滑に動くように、環境整備をするのも人事労務や衛生管理者の大切な仕事、腕の見せどころです。

過重労働の産業医面接の前に、人事労務や衛生管理者が、上長からヒアリングをするもしくは本人から直接話しを聞くということは良くあります。

過重労働者の面接指導でおさえる運用はこれだ!

①【面接義務の対象社員!】

月の時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり100時間を超えて、疲労が蓄積している労働者です。

②【事業者の面接義務!】

労働者から面接指導の申し出(記録が残る文書等)が出されたら、事業者はその労働者に医師の面接指導を受けさせなければなりません。

③【産業医と情報共有!】

事業者(人事や衛生管理者)は、産業医との面接調整を行い、労働者に関する作業環境、労働時間、深夜業の回数と時間数などの”働いている状況”の情報を産業医と共有します。

上記以外の労働者については、月の時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間、45時間を超えて、疲労が蓄積している労働者、または事業所が定めた基準に該当する労働者に対して、面接指導に準ずる面接指導を行うように努力する(努力義務)。と定められています。

過重労働の面接指導を効率的に実施するために多くの企業では、厚生労働省の「疲労蓄積度チェックシート」を用いて、定量的に疲労の蓄積具合をチェックしています。エクセルやクラウドサービスで実施するとより効率的でしょう。

疲労蓄積度チェックシートを使用する場合は、事前にこれ以上は面接を実施するということを取り決めしておきましょう!

健康状態を産業医が把握し、「専門家の意見」という形で助言や指導を受けます。事業者(人事)はその助言、指導をもとに対象の労働者への経過観察をするのか、軽減処置を行うのか判断します。

3つのポイントで過重労働の面接指導を実施しやすい環境を作る!

過重労働による健康被害を防ぐ目的で、面接指導の決まりがあっても、それが実際にちゃんと機能するような仕組みがなければ、意味がありません。

こんなことよくあります!

A. 労働者が、”過重労働”ということで秘かに労働基準監督署に電話してしまう!

B. 労働者が、”過重労働”でうつ病になったとユニオンや労働組合に駆け込んだ!

過重労働が発生した場合には、面接指導を実施する仕組みやルール(規定)を作成し、それ通りに運用を粛々と行っていくことが重要です。また過重労働社員は、忙しいから面接指導を受けたくないと人事を困らせることもあるでしょう。

そこは人事担当者の腕の見せどころです。

はっきりと言ってあげましょう。会社の規則でみんなが実施していることなので、ダメですと。嫌なら上長にも連絡しますと。あくまでも会社が健康状態を把握する必要があるためと伝えましょう。

過重労働の面接指導を実施しやすい環境を作るのも産業医や保健師、人事担当者に とって重要なことです。過重労働者が、面接指導を受けても意味がない、時間のムダだと考えてしまう理由は自分たちにあり、どうやって意味のあるものにする のかを意見を出し合って作っていきましょう。

具体的に事業者や人事担当者は

① 労働者と上司が自分の労働時間を確認出来る仕組みを構築

事業者側だけが、労働者の労働時間を把握している状態はよくありません。労働者が労働時間を計算・把握して、自分から相談に来ることができる環境を作りましょう!

上司も把握していないことが多いので、部下の状況を常に共有しましょう。最近の勤怠管理システムは、自動的に計算されて負担が少ないので、こういったシステムも利用しましょう。

② 面接指導の申し出用紙を作成し、窓口を設置

労働者が自分の労働時間を算出して、自分から面接指導に掛かりたいと思ったときに、何処に申し出をすればいいのか、必要な書類はどこで貰えばいいのか迷わないように、相談できる窓口を設置しましょう。

③ 徹底した説明と周知を繰り返し労働者に実施

面接指導をすれば、事業所内での評価(給与面や昇進など)に関わるのではないかという無用な心配を抱かせない。また必要性については、毎回説明しましょう。

過重労働のときに気をつけるポイントを毎回共有していきましょう。

準備の面では、上の3つのポイントを押さえれば大丈夫です!

過重労働の面接指導後の事後措置にこそ意味あり!

面接指導を実施した産業医から、事業者に「面接指導結果報告書」と「事後措置に係る意見書」が提出されます。これは事業者や職場、管理監督者に対する意見書です。これらの報告書、意見書、さらに産業医からの意見を直接聴き、労働者の状態に応じた事後措置を実施します。

意見の内容は、労働時間の短縮や、労働環境の変更、生活習慣の改善、病院への通院といった内容が含めます。メンタルヘルスの不調を訴える場合は、必要に応じて精神科医との連携をしながら、事後措置を行っていきます。

労働者の健康を確保するための健康診断も面接指導も、やりっぱなしでは実施した効果も上がりません。しっかりと過重労働者の状況を上司と連携をとりながら進捗をおっていきましょう。

担当窓口を設置しました!だけでは意味がありませんので、人事担当者は労務上の勤怠管理を徹底して行い、規則に従って部署ごとの平均や毎月の変化を用いながら組織全体として、さらに経営陣を含めて対策を考える必要があります。

事業所内の健康管理への意識付を常日頃から行い、風通しの良い職場環境をつくりあげていくことも

過重労働を防止するポイントのひとつとなります。

↓↓↓ 要チェック

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・「長時間労働で業務処理スピード40%ダウン!

★ 12個の武器をもった人事は最強です。過重労働対策↓↓↓
・「人事ができる過重労働対策12個の武器

★ 労働時間について知らないと始まりません。こちら↓↓↓
・「「労働時間」の知識をもたない人事はいらない…

★ 労働基準法の3つのポイントで労働時間管理の基本をおさえる↓↓↓
・「労働基準法の3つのきほんをマスターする!

★ 過労死って脳と心臓だけって思っている人事。精神障害も含まれます。
↓↓↓
・「解説!過労死認定基準&過労死ラインは意外と低い?

★ 過労死等防止対策推進法は、政府の重要施策です↓↓↓
・「サクッと過労死等防止対策推進法について理解する!【Q&A】

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・「優秀な人事部長が考えるワークライフバランス対策とは?

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