産業医とスムーズな連絡・共有
2021年8月25日 更新 / 2019年9月4日 公開

産業医面談は嫌がられる?事前のルールがポイント!

産業医面談は嫌がられる?

産業医の面談を実施する際に、人事総務として社員へどのように伝えるのか悩まれると思います。そのような悩みを一切解決する方法をお教えします。

【Q&A】新しく産業医を選任しますが、社員への通知は?

新たに産業医選任したあとは、社員へはどのように周知すればよいのでしょうか?特に面談を希望したら社員からは人事考課が悪くなるということを想定され、面談希望者が出ない状況が想定されます。そのようなことを防ぐためにもどのようなことをすればよいでしょうか?

勤怠不良者がいて、彼にも事前に伝える必要がありますが、身構えてしまうのではと思ってしまいます。人事へのフィードバック等連携はどのように考えたらよいでしょうか?

産業医の面談をスムーズにさせる3つのステップ

せっかく産業医を選任しても上手に使えていない企業が多いです。

質問にもあったように、面談をすると同僚や上司から変見られ方をするとか、人事評価に影響するとか非常に気にするわけです。

一方で、勤怠の悪い社員の疾病性を確認する上では不可欠な産業医面談。

どのようにするのか、3つのステップで考えましょう。

  1. 社員への周知方法
  2. 勤怠不良者への事前通告
  3. 人事と産業医との連携

この3つは新規で衛生活動を始める企業では非常に多い人事部の悩みです。

繰り返しになりますが、ポイントは、産業医を選任するにあたり、社内へ事前に通知する内容が決め手となります。

産業医面談スムーズに!【1つ目】社員への周知

3つの方法を御紹介します。基本的にすべてをやったほうが、よりスムーズにすすみます。

(1)社内掲示板(電子媒体を含む)と各部署のミーティングで通達する

「社員数が50名を超えて、産業医の先生に来てもらう会社の規模になった。」

「産業医というのは、社員の健康リスクをチェックするのが仕事なので、健康診断結果で悪かった人や残業の多い人、 遅刻の多い人等、健康の状態を一度チェックした方がよいと人事や上司、産業医の先生からの指摘で毎月1回来て面談だったり、会社の中を歩いてチェックする ことを来月から始めることを決定した。」

【周知するポイント】

  • 「会社の方針として、産業医を選任して、その運用を開始する」ことを宣言すること

(2)決して特別なことではない、面談時は人事や上司から事前に話があることも触れる

「具体的な内容については、改めて掲示板やメーリングで流すので確認をして欲しい。特に、来月からの面談者については、事前に人事や上司から話があるが、これはあくまで法律に従ってやるものでどこの企業でも当たり前に行っていて、特別なことではない。」

「人事考課は一切関係なく、専門家が専門的な立場から客観的に判断して、働く際に発生する体調や健康面でのチェックをするのが目的だ。勤怠や長時間労働などが対象になる。」

【伝えるポイント】

  • 人事考課に影響しないこと
  • 会社として産業医にみせる義務があること
  • 勤怠がワルイ場合や長時間労働の場合にチェックが発生すること

(3)事前に産業医の紹介文を配布する

どんな産業医なのか写真付きで紹介文があれば、社員の方はより親しみやすくなります。どんな相談をするのか、どういうルートで面談ができるのか等も合わせて紹介しましょう。

こんな感じです!!!弊社の代表が、産業医の仕事を受ける際に使用しているものです。

産業医の紹介文サンプル

産業医面談スムーズに!【2つ目】勤怠不良者への通知

既に問題行動のある社員に対しては、

「これまでとは違い産業医という専門家が毎月来ることになり、遅刻が多い場合には、面談をして健康状態が大丈夫かどうかを判断してもらうことに会社全体としてそのようなルールになった。」

「最近の◯◯さんの勤怠見ていると、こことここは体調が悪くて病院に行ったのだね。これだけをみれば、産業医面談 に該当するんだけど、労務管理という観点からも会社側が社員の健康に配慮しているのか求められることなので、人事(上司)という立場上◯◯さんには、来月 面談をしてもらう予定入れておくね。」

【通知するポイント】

  • 決して「面談を入れても良いか」という質問はしない!断るので。

勤怠不良者は、一般的に自分が悪いという認識がありません。

しっかりと安全配慮義務を果たし、労務管理の徹底という観点から指導する必要があります。

遅刻の原因が、疾病性なのか事業主は確認する義務があります

産業医面談スムーズに!【3つ目】人事と産業医連携

人事総務と産業医がみつに連携すると飛躍的に、会社の安全性が高まります。

社員も安心して見違えるように欠勤者が減ります。

人事総務と連携することで産業医面談をスムーズに実施し、産業医を使い倒しましょう。

産業医は社員の抱えているリスクを評価してそれを人事総務に加工して伝えるのが仕事です。

多くの社内における社員の抱える悩みは、産業医だけで解決するわけがありません。

従って必要であれば本人の同意を得て、人事部や上司と共有することを面談で伝えてから人事・上司・産業医でタッグを組んで対応することになります。

個人情報に関しては、守秘義務がありますので、緊急性を除き必要でないと判断する内容については共有しません。

面談記録に関しては、事業主が保管義務ありますので、どうしても労務管理担当者が見られるような状況になってしまいます。またその上司である人事部長もしかりです。

見せないように苦労されている産業医の先生もいらっしゃいますので、どのようなスタイルが良いのか産業医の先生に相談しましょう。

以上、産業医の面談をより活用するためのポイントを 3 つの観点から御紹介しました。

記事作成・監修は山田洋太、産業医が担当

執筆・監修

  • Carely編集部
    この記事を書いた人
    Carely編集部
    「働くひとの健康を世界中に創る」を存在意義(パーパス)に掲げ、日々企業の現場で従業員の健康を守る担当者向けに、実務ノウハウを伝える。Carely編集部の中の人はマーケティング部所属。