事務所の室温で罰金!?【事務所衛生基準規則】

2019.8.27 更新 / 2019.8.27 公開
衛生委員会を有効活用
快適な空間を守る事務所衛生基準規則

あなたの職場は働きやすい職場ですか?健全な環境で安全に仕事をするために、事務所に衛生基準規則を作る時には、まず何をすれば良いでしょう。

労働安全衛生法には事務所衛生基準規則に関する規定があります。

【事務所衛生基準規則の概要】

①    事務所衛生基準規則は、労働安全衛生法の規定に基づく規則で、5章からなるとても短い厚生労働省令です。「環境管理、清潔さ、休養、救急用具」に関する規定をまとめてあります。労働者が良い環境の中で安全に働けるように定めたものです。

②    これに関連したものとしては、ビル管理法(建築物衛生法とも言います。正確には「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」)が挙げられます。

この2つの関係は、下記の表のようになっています。

事務所衛生基準規則とビル管理法の図

イメージとして、事務所衛生基準規則は労働者が事務作業をする部屋、ビル管理法はたくさんの人がいる大きな規模の建物に適用されると覚えてください。

【快適な空間を守る事務所衛生基準規則】

事務作業をする部屋がぎゅうぎゅう詰めだったり、極端に暑かったり寒かったりしたら不快に感じますよね。タバコの 煙が充満していたり、埃っぽかったりしたらどうでしょう?こちらも、快適な環境とは言えません。空気を入れ替えるだけでも改善は出来ますが、他に、すぐに チェックできる項目を2つ挙げます。

①    事務所の室温

事務所衛生基準規則では、空気調和設備を設けている場合は、室温が17度以上28度以下、湿度が40パーセント以 上70パーセント以下になるようにする努力義務を定めています。室温は0.5度目盛の温度計、湿度に関しては0.5度目盛の乾湿球の湿度計を使うことに なっています。

室温が10度以下の場合は、暖房する等の温度調節を義務付けています。この暖房の方の規定は罰則があります。

処罰される場合は、法人と代表者が6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金になります。

金額の多少よりも、法的に罰せられるのは不名誉ですし、何よりもコンプライアンス意識に欠けている企業と社会に認識されてしまう恐れがあります。法的な制裁を受けるのはレピュテーションリスクがとても高く、企業としては罰則以上のダメージを受けることになります。

②    定期的な点検

飲用水や飲み物、給水・排水設備の点検、ルールに則ったゴミ処理等。言われるまでもなく当たり前のものですが、定期的な検査が必要な項目もありますので、この機会に社内での検査の一覧を確認してみましょう。

【事務所衛生基準規則と衛生管理者の関係】

事務所を労働者にとって快適で安全な場所にするために衛生管理を担う人を衛生管理者といいます。医師が事務所の全ての衛生管理をするのは実務上、範囲が広すぎてとても大変なので、この衛生管理者が事務所の指導員・リーダー的な立場で衛生管理をします。

衛生管理者は、事務所を良い状態に保つために行動するのですが、その時の基準になるのが事務所衛生基準規則です。一定規模以上の事務所は衛生管理者、衛生委員会の設置、産業医の選任義務があります。義務を果たさなければ、罰則がありますから注意しましょう。

【事務所衛生基準規則の休養と休憩】

休養室と休憩室の違いはご存じですか?

①    休養室(労働安全衛生規則618条、事務所衛生基準規則21条)

職場で体調が悪くなってしまった時に使うための施設です。事務所衛生規則で「事業者は、常時 50 人以上又は常時女性 30 人以上の労働者を使用するときは、労働者が床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。」と規定しています。

休養室には横になって休むためのベッドや布団を用意する義務があります。

②    休憩室(労働安全衛生規則613条、事務所衛生基準規則19条)

労働者が一息ついてリフレッシュしたりするための施設です。横になるための設備を置く必要はなく、椅子やテーブル などを用意しておけば十分です。事務所衛生基準規則で「事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。」 と規定しており、こちらは努力義務になっています。

休養と休憩。普段は何気なく使っている言葉ですが、休養室は義務、休憩室は努力義務ですから必要性も重要度も違います。

【最後に】

事務所衛生基準規則は、考えるまでもなく当たり前のことをすれば問題なくクリアできることばかりです。中には、人数や頻度などの規定があるものもありますから、注意が必要です。まずは、社内の点検体制のチェックをしてみましょう。

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