産業医とスムーズな連絡・共有
2021年8月25日 更新 / 2019年8月30日 公開

当たり前すぎてコワイ!面接指導拒否への対応ポイント3つ

産業医による面接指導は拒否できない。面接指導拒否への対応ポイント3つ

人事の大変な仕事として、過重労働対策や健康診断異常者、勤怠不良者への対応の一環として「面接指導」を産業医に実施してもらうことがあります。

しかし社員の中には、”嫌だ”、”病気が悪化する”、”忙しい”と言って面接指導を受けたくないといった行動を取るひとがいます。これが人事にとってとてもストレスフルなわけです。

一方で、産業医の面接指導の目的が理解できない社員の方が多くいても仕方ないですし、産業医の面接に行っても、どうせ当たり前のことを言うし、ヘタしたら人事とつながって評価を下げることをするのではないか、と思ってしまう社員の気持ちもわかります。

とはいえ、今回は面接指導を拒否する社員に人事としてどのように対応すれば良いのか3つ取り上げました。是非やってみてください。

面接指導と労働安全衛生法の関係

すぐにでも3つお教えしたいところですが、まずは法律で何と書いてあるのかをチェックしておかないといけません。この法律が面接指導を拒否する社員への最大の武器となりますから。

ちょこっと労働安全衛生法をのぞいてみると…あった!あった!

第66条の8ですね!(全文は下記に載せてます)

要約すると

  1. 事業者は、社員の健康を把握するために面接指導をしないといけない
  2. 労働者(社員)は、面接指導を受けなければならない!=MUST!
    ※労働者がその産業医が嫌だと言えば、他の医師でも良い
  3. 面接指導の結果を記録する
  4. 面接指導後の対応(措置)について意見を医師から聴く
  5. その意見を聴いた上で、労働環境へのアクションを取るのか決めなさい

です。

すでに答えが出てしまっておりますが、そうです。簡単に言えば、産業医による面接指導は拒否できないんです!

しかしこれでは人事の抱える悩みを解決しません。

どうこれを「伝える」かですよね。

面接指導を拒否する社員には「法律ルール・対象理由・業務命令」で対応

面接指導を拒否する社員の理由の根幹は、「面接指導の目的と意味がわからない」ことにありますので、3つの方法をやってみましょう。

○○さん(面接指導を拒否する社員)

【面接指導の対応ポイント1】 法律にかかれていることを伝える

「産業医との面接は、会社が社員のコンディションを把握するために法律で必ずやりなさいって書かれていて、対象の社員には必ず受けてもらっているルールなんだ。受けてもらえませんか?」

多くの場合、これだけでスムーズにいくわけがありません。

その次に出てくるのが、「忙しくて行けないんですよ」、「前の受けたんですが時間の無駄だったんですよ」、「嫌な産業医の先生で症状が悪化したんですよ」となります。

そこで人事としては次の手段として…

【面接指導の対応ポイント2】 対象になった理由が本人にあることを伝える

「そうよね。××(行かない理由)と思うのは、○○さんの気持ちからすれば当然かもね。でもね、対象になった理由 が○○さんにあるんだよね。わたしも○○さんの忙しい貴重な時間を面接指導という形で使いたくないの。もっと仕事に使って欲しいって思うよ。でも○○さん が、××(対象になった理由)だから受けないといけないものなの。もし○○さんが××じゃないように頑張ってくれれば、受けなくて良いんだけど、頑張れな いかしら?」

という形で、本人に原因があり、その原因を自分で作り出していることを伝えます。

例えば、勤怠が悪い社員がいた場合に、「前職で産業医の面接指導を受けたら、症状が悪くなったので絶対に受けません!」とハッスルしている社員がいたとしましょう。

この場合は、「受けなくてよいですよ。でも遅刻を来月からしないのであれば、そうします。もし遅刻が2回以上あっ たら必ず会社として産業医の面接指導を受けてもらいます。約束ですよ。」とするわけです。これでほとんどのケースで、面接指導を受けるか、対象理由がなく なります。

それでも受けない、もしくは約束を破る場合は…

【面接指導の対応ポイント3】 業務命令を発令することを伝える

就業規則の懲罰規定に照らし合わせて、サクサクと業務命令を出しましょう。上司も呼んで、会社のルールに従わないので業務命令を発令します。ここで躊躇していると必ずこの社員は、「困った社員」で自己主張を繰り返す温床となりますので、確実に成し遂げましょう。

最後に面接指導をやったのに見過ごしてしまうこと

記録に残しましょう。

そうです。この面接指導の記録を残さない産業医や人事が多いんです。折角やったのにこれでは意味がなくなってしまいます。産業医が面接指導をやったときには、記録を残すような仕組みを作っちゃいましょう。

どうですか?

これでほぼ100%面接指導を拒否する社員に対応することができるはずです。他のやり方があれば、是非御連絡ください。

(面接指導等)
第六十六条の八  事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるとこ ろにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなけ ればならない。

2  労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

3  事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。

4  事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。

5  事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

労働安全衛生法 第六十六条の八 (面接指導等)

執筆・監修

  • 小川 剛史
    この記事を書いた人
    小川 剛史
    1986年広島県生まれ。
    大学在学時から幅広い業種のデジタルマーケティングを手がける。(小売・食品・金融・医療etc)
    現職では、企業の健康管理・健康経営についての情報発信を続けており、オンライン記事では月間12万人、ダウンロード資料は延べ2万社が閲覧している。
  • 山田 洋太
    監修者
    山田 洋太
    金沢大学医学部卒業後、2008年久米島で離島医療に従事。
    2010年慶應義塾大学MBA入学。2011年株式会社iCAREを設立。2012年経営企画室室長として病院再建に携わり、病院の黒字化に成功。
    2017年厚生労働省の検討会にて産業医の立場から提言。2018年より同省委員として従事。

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