令和6年7月に開催された経済産業省の第12回健康投資ワーキンググループでは、健康経営優良法人の認定制度や健康経営度調査票の変更点について話し合われました。本記事では、健康経営調査票の最新の変更点と、今後の健康経営優良法人の申請に役立つ情報を3つ紹介します。今年度の健康経営優良法人のランクアップを目指している企業や、自社の健康経営対策に役立てたい方は、ぜひ参考にしてください。▼今回の対象者:大規模法人部門の昨年の調査票を記入された担当者の方iCAREでは、以下より産業保健体制や健康経営についての相談も承っております。▶産業保健体制や健康経営について相談するまた、従業員の健康情報を一元管理・分析し、健康経営の促進に役立つ「Carely健康管理クラウド」も提供しています。詳細は以下よりご確認ください。▶「Carely健康管理クラウド」の資料をダウンロードはこちら健康経営度調査票の内容と採点の対象項目は?健康経営度調査票を簡単に表すと「健康経営の取り組み状況や効果を調べるためのチェックリスト」です。また、健康経営優良法人認定制度の申込書の役割を果たします。健康経営度調査票は次のように構成されています。基本情報(採点対象外):組織の基本的な情報4つの大項目(採点対象):評価されるのは以下の4つの大項目です。経営理念・基本方針組織体制制度・施策実行評価改善今回はこの4つの大項目の変更点を解説します。健康経営優良法人の認定要件は、この項目の★付き赤字が付いている38項目が対象です。つまり、★付き赤字の項目にすべて答え、基準を満たさなければ、健康経営優良法人を取得できません。さらに★付き赤字以外の項目にも配点が設けられており、その項目に答えると点数がもらえる仕組みです。健康経営優良法人の取得基準を満たした上で「他社よりも高い順位を目指したい」「ホワイト500を取りたい」という企業は、★付き赤字を含むすべての項目に答え、点数を積み上げていくことが重要です。令和6年度健康経営調査票の素案を確認したい方は以下をご覧ください。参考:令和6年度健康経営度調査票(素案) 重要度順!健康経営度調査票の変更点今回は5つの重要度別に分けて、変更した点をわかりやすく解説します。【重要度5】大規模企業の健康経営トップ層入りがより困難に健康経営優良法人の「大規模法人部門」において、特に優れた上位500社は「ホワイト500」と呼ばれています。令和6年度から健康経営度調査の質問項目に対し、厳格に答えなければならなくなりました。健康経営優良法人「ホワイト500」について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fcompany-care%2Fhealth-management-white500%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2F5w08DGv%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E1.従業員の健康状態を示した数字の開示が必要に令和6年度の健康経営度調査票では、従業員の健康状態を示した数字(パフォーマンス指標)が開示されているかを確認する項目が追加されました。従業員の健康状態を示した数字(パフォーマンス指標)は以下の3つです。 【開示が必要な従業員の健康状態を示した数字】仕事を休んでいる人の割合(アブセンティーズム)体調不良で仕事の効率が低下している人の割合(プレゼンティーズム)仕事に対して熱意を持って取り組んでいる状態(ワークエンゲージメント)ただし、開示状況が確認できない場合や、開示してないのに「開示している」と回答している場合は点数としてカウントされません。会社のホームページなど、誰でも簡単に見つけられるところに公開しているか確認しておきましょう。 2.取引先に健康経営を勧め、実施状況を確認することが必要に 令和6年度の健康経営度調査票から、取引先へ健康経営の推奨と取り組み状況の確認が必要になりました。健康経営への取り組みや従業員の安全と健康の確保ができているかなど、確認が必要です。具体的な推奨と確認の方法は次のとおりです。【取引先への勧める方法の例】健康経営の施策内容をガイドラインとしてまとめ、取引先に提供して実施するよう勧める【取引先への確認方法の例】取引先にアンケートを送り、定期的に健康経営の取り組み状況をチェックするこのような取り組みを早めに行い、取引先への推奨、確認の両方を必ず実施しましょう。 3.重役会議で健康経営について話し合うことが必要に令和6年度の健康経営度調査票から、重役会議(取締役会や経営レベルの会議)で健康経営について話し合いが行われないと「ホワイト500」の認定を受けられなくなりました。「ホワイト500」の認定を目指す企業は、健康経営の議題を会議で取り上げましょう。【重要度4】新しい採点方法が登場重要度4の変更点は、会社ごとに特に力を入れている健康課題への取り組みについて、「各取り組みの対象者や参加者の割合を記載」に変わったことです。 1.健康施策が数値による成果で評価されるように令和6年度は健康施策を単に行うだけではなく、取り組みの具体的な数値が成果として評価されるように変わりました。参加率や対象者率、達成率など、取り組みの成果を数値化することで、関わっている人の数が明確になり、取り組みの効果を正確に評価できるようになります。取り組みの参加人数や内容、成果などを具体的な数値で定期的に記録し、管理しておきましょう。 2.認定基準を満たす取り組み評価の項目が増加令和6年度の健康経営度調査票の認定基準を満たす取り組みとして、評価項目が「従業員参加」と「環境整備」の2つに分かれました。【従業員参加型と環境整備型の違い】従業員参加型:スポーツ大会や研修など会社が企画したイベントに、従業員が参加する施策のこと。参加率(従業員がどれだけ参加するか)で評価する。環境整備型:フリーアドレスオフィスやツールの導入など、会社が従業員の働く環境を整備する施策のこと。対象者率(利用可能な従業員の割合)で評価する。両方の取り組みを実施・記録し、回答できるよう準備しましょう。【重要度3】設問・選択肢の追加重要度3の変更点は、回答する項目や選択肢がさらに追加されたことです。 1.健康経営方針の作り方と進捗状況の開示が必要に令和6年度の健康経営度調査票では健康経営方針について、どのような過程で作られたかを尋ねる項目や、達成度を数値で測っているかなど現状の値と目標値(KPI)を尋ねる項目が追加されました。健康経営方針の目標値(KPI)の具体例は次のとおりです。【健康経営方針の目標値(KPI)の例】アブセンティーズム:従業員が病気やケガで休職する割合を5%から3%に減らす離職率:離職率を年間10%から5%に減らす従業員満足度:従業員満足度の調査のスコアを60点から70点にあげる など健康経営方針に関して、現状値と目標値を回答できるように準備しておきましょう。2.テレワークに関する項目が追加令和6年度の健康経営度調査票から、テレワークに関する選択肢が追加されました。すでにテレワークを導入している企業は、評価の対象になります。3.介護と就業の両立支援についての項目が追加令和6年度より、介護と就業の両立支援についての項目が追加されました。選択肢の内容は、経済産業省が策定している「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」に沿って作成されています。新たに追加された項目で選択肢も多いため、自社の取り組みを早い段階で見直すようにしておきましょう。参考:仕事と介護の両立支援に関する 経営者向けガイドライン|経済産業省【重要度2】健康経営の評価ポイントが追加重要度2の変更点は、健康経営の評価対象になる項目が増えたことです。1.40歳未満の従業員に関する健康データの提供が評価の対象に令和6年度から40歳未満の従業員の健康診断データを健康保険組合に提供すると、健康経営度調査の評価対象になります。この項目の注意点として、40歳未満の従業員が通常の健康診断以外の検査(人間ドック、がん検査、婦人科健診など)の結果を健康保険組合に提供する場合、本人の同意が必要になることがあります。個人情報保護の観点から、健康診断のデータの取り扱いには実務上の注意が必要です。法令を遵守した健康データの取り扱いや方法は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fevent%2Fkozinzyouhou202406%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FYNkNli8%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E2.非正規社員に対して健康経営の取り組みを行っている企業は評価対象に令和6年度の健康経営度調査票から、常勤でない非正規社員に対しても健康経営の取り組みを行っている企業は評価の対象になります。健康経営度調査票を記入する際の従業員の範囲には、非正規の従業員も含まれます。「従業員はすべて正社員」という場合でも健康経営の評価には影響しません。【重要度1】点数に影響しないアンケート項目が追加重要度1の変更点は、評価に影響しない以下のアンケート項目が追加されたことです。以下の2点は回答するかどうかに関わらず、評価に影響することはありません。PHR (Personal Health Record)とは、個人の健康や医療などの情報を一元的に管理・記録した医療データのことです。PHRの活用は、従業員自身の生活全般にわたる健康支援の充実につながります。参考:健康・医療新産業協議会 第12回健康投資WG 事務局説明資料 (今年度施策及び調査等の⽅向性について)|経済産業省健康経営優良法人申請のために知っておきたい情報3選ここでは、健康経営優良法人申請のために知っておきたい情報を3つ紹介します。1.健康診断後の産業医による就業判定を忘れずに!健康経営度調査票の法令遵守事項に、健康診断の就業判定を必ず行うことが追加されました。産業医は健康診断の結果に基づいて、次のような就業判定を行い従業員の健康と安全を確保します。健康診断の実施後は、企業は必ず産業医の就業判定を受けましょう。健康診断の事後措置については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fcompany-care%2Fgo-to-ahc-2021%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FnE3rYFs%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E2.健康経営コンサルティング自己宣言制度の新設2024年6月より、健康経営コンサルティング自己宣言制度が新設されました。健康経営コンサルティング自己宣言とは、健康経営コンサルティングを提供する事業者が、自社のサービス品質を自ら宣言し、公表するものです。この宣言により、サービス品質が自己宣言ガイドラインに基づいて保証されていることを外部にアピールできます。「健康経営コンサルティング自己宣言」を行っている事業者は、企業が健康経営コンサルティングサービスを選ぶ際の指標になるといえるでしょう。当社iCAREも「健康経営自己宣言ガイドライン」で定められた項目を満たし、2024年5月22日に宣言しました。参考:健康経営コンサルティング自己宣言書|株式会社iCARE健康経営コンサルティングサービスについてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fcompany-care%2Fhealthmanagement-consulting%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FlSpYX7C%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E3.帝国データバンクが実施した健康経営の意識調査で他社との比較が可能帝国データバンクは、従業員と企業の両方へ健康経営の意識調査を実施しています。閲覧することで、次のことが把握できます。企業向けの意識調査:健康経営に取り組んでいる企業と、取り組んでいない企業の違いや具体的施策などが確認できる従業員向けの意識調査:健康経営に取り組む企業の従業員に対する意識を確認できる参考:特別企画:健康経営への取り組みに対する企業の意識調査|株式会社帝国データバンク参考:従業員アンケート - 健康経営に関する企業の取り組み状況や 効果に関する調査分析|株式会社帝国データバンク活用方法の例は以下のとおりです。健康経営を見直し、改善するためには他社の成功事例を参考にすることが効果的です。ただし、そのまま他社の取り組みを真似するだけでは十分な効果は得られません。健康経営の施策改善を図りたい方は、以下の無料動画でポイントを解説していますので、ぜひご活用ください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fevent%2Fmonomanekenkoukeiei202405%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FRwElQka%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E健康経営度調査票の変更点に対応し健康経営優良法人のランクアップを目指そう本記事では、令和6年度の健康経営度調査票の変更点について解説しました。令和6年度の健康経営度調査票は、大規模企業に対する健康経営度調査の認定要件が厳しくなりました。新しい採点方式の導入や、健康施策の成果を数値で表すことが求められるようになったほか、設問や評価項目も追加されたため、健康経営優良法人の難易度はさらに高くなっています。今回紹介した内容を参考に、令和6年度の健康経営度調査にむけて早めに準備を進め、健康経営優良法人のランクアップを目指しましょう。iCAREでは、健康経営の促進を支援するサービスを提供しています。健康経営に関する相談窓口や「Carely健康管理クラウド」の詳細は、以下よりご覧ください。▼産業保健体制や健康経営について相談する%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fform%2Fconsultation%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FWQF6txh%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E▼「Carely健康管理クラウド」の資料をダウンロードはこちら%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.carely.jp%2Fform%2Fcarely-document%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fg3DuG6E%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E