衛生委員会を活性化!テーマの決め方や運営のコツ教えます。

2020年5月8日 更新 / 2019年10月4日 公開
衛生委員会を有効活用

衛生委員会の負担が大きすぎる、衛生委員会で話すことがなくて形式的になっている、など衛生委員会の運営で難しさを感じたことはないでしょうか。

どうすればメンバーが積極的に参加し、衛生管理による人事の負担を軽減できる場になるのでしょうか?

今回、衛生委員会へのアドバイジングを行っているCarely編集部では、数多くの衛生委員会の中でも上手く回っている衛生委員会にはどんな特徴があるのかを分析し、5つの戦略を立てました。

委員会をスムーズに進めるメンバーの選び方や、衛生管理業務を効率化する方法をチェックし、衛生委員会をより意味のある場に変えるヒントにしてみてください。

衛生委員会を効率的・有意義に進めるための戦略と実行のためのチェックリスト―ダウンロードはこちら(PDF)

戦略① 委員会メンバーは幅広い役職から選出する。

衛生委員会を正しく開催するために、まず必要なことは何でしょうか?人事部のメンバーばかりで構成してしまうと、結局は衛生管理者でもある人事が業務を抱えてしまうことになります。

多様な立場の人をメンバーに入れることで、衛生管理の仕事を分担し、職場全体への情報共有も円滑に進めることができます。

☑議長は役員レベルにお願いする。

会社内の決定権を持つ人が委員会にいることで、次のようなメリットが生まれます。

  • メンバー選出を一緒に話し合うことで、普段の業務の調整が可能になる。
  • 衛生委員会での提案が社内で通しやすくなる。
  • 衛生委員会から従業員への連絡事項を、議長から上長を通じて行うことができる。

☑複数の部署からまんべんなくメンバーを選出する。

複数の部署からメンバーが集まることで、衛生管理に関する企画(イベント等)を、人事だけでなくメンバー内で分担して行うことができます。

☑メンバー数は奇数にする。

多数決の際に議決を取りやすくなり、議論がスムーズに進みます。多数決を取る時のみ議長や衛生管理者を除くことで奇数にする方法もあります。その際は、使用者側の意見に偏らないように注意が必要です。

戦略② テンプレートを活用して、資料の作成・共有を効率化する。

衛生委員会で扱う資料は膨大で、それらを従業員や産業医と共有しなければなりません。資料のテンプレートやオンラインシステムを活用することで、情報管理を楽にすることができます。

☑衛生委員会規程は、サンプルを活用して作成する。

衛生委員会の立ち上げ時に作成する衛生管理規程にはサンプルがあり、人数とメンバーの氏名の部分だけの変更で済む場合が多いです。

☑衛生管理者の巡視項目や議事録は、サンプルを活用する。

巡視項目や議事録もサンプルを活用することで楽に作成できます。巡視記録用紙があると巡視が効率的になるだけでなく、職場内を歩く際に巡視を意識して、その結果を用紙にメモしておくことができます。巡視にまとまった時間を割けない場合の時短になるでしょう。

議事録のフォーマットには、産業医からのコメントや捺印の欄を用意しておくと、産業医が欠席した場合に議事録を確認した証拠になります。専門家からの意見をもらうためにも、コメント欄を作ることをおすすめします。

☑議事録と巡視記録をオンラインで管理する。

専用のオンラインシステムを使うと、従業員もアクセスできるため、社内への共有する手間がかかりません。データの保存も簡単で、空間的な保管場所が必要ないというメリットもあります。

紙で保管する場合
メリット:社内で掲示しやすく、保管もファイリングするだけで済みます。また、改ざんされるリスクも低いです。
デメリット:データの扱いに手間がかかり、保管場所も必要です。

ワードファイルで保管する場合
メリット:空間的な保管場所を確保する必要がありません。
デメリット:社内で掲示しにくく、データの保管場所が煩雑になることがあります。また、改ざんされるリスクが高いです。

☑従業員への情報周知はオンラインツールを用いて行う。

社内報や掲示板を使用している会社もありますが、それらでは情報が十分に届かない可能性があります。メーリングリストやグループウェア(イントラネット)などを活用すると、従業員に簡単に情報を届けることができます。

戦略③ 議題の用意は、産業医や従業員と協力する。

委員会で話し合うトピックがないと、メンバーの参加率が下がり、人事が衛生管理の負担を軽減する場がなくなってしまいます。仕事を任せられる機会を逃さないために、衛生講話については産業医と、職場環境については従業員と協力して議題を用意しましょう。

☑毎年恒例のイベントを年間計画書にまとめる。

法定義務である健康診断やストレスチェックなどは、毎年行うことが決まっているイベント事です。実施前後の動きをまとめた年間計画書を作成しておくと、毎年スムーズに業務を進めることができます。

☑季節に合わせた議題を年間計画書に追加する。

委員会開催時期に合わせた議題を取り上げることで、メンバーのモチベーションが上がり、参加率が高くなることが期待できます。議題のネタが無くならないように、下のトピック一覧も参考にしながら、年間計画書を充実させてみてください。

☑季節に合わせたトピックで衛生講話を開く。

衛生講話も定期的に開くことで、従業員の衛生管理に対する意識も高まっていきます。産業医に、時期に合ったトピックや会社に必要な講話内容などについて意見をもらうと良いでしょう。

定番トピック一覧

扱ったことのあるトピックにチェックを付け、他にどんな議題や衛生講話のトピックがあるかを探してみましょう。

夏場対策
 ▢熱中症対策
 ▢空調の温度設定
 ▢クールビズ
感染症予防
 ▢予防接種   
  ▢予防接種の有給不要化
  ▢麻疹予防接種のクーポン活用
 ▢インフルエンザ
  ▢社内で手洗いうがい促進
  ▢マスクの常備
  ▢アルコール設置

生活習慣
 ▢喫煙 
 ▢食習慣
 ▢睡眠習慣
 ▢パソコンを使う作業の注意点
ストレス
 ▢ハラスメント
  ▢セクハラ
  ▢パワハラ
  ▢スメハラ
 ▢長時間労働
 ▢新入社員のメンタルケア

☑委員会前に各部署でヒアリングし、議題に上げる。

委員会の1週間前くらいに、メンバーに対して日程のリマインドと併せて「部署内で、オフィス環境について気になっていることはないですか?」と聞いておくと、委員会の議題を集めるのに効果的です。

☑改善策の結果を委員会で報告し、PDCAを回す。

議題の改善策は、実行されることが大切です。改善策の担当に取り組みの結果を次回の委員会で報告をしてもらうと、議事録を通じて会社全体に共有することができます。この時のポイントは、改善策に対応する担当を委員会メンバーから任命し、人事に負担が偏らないようにすることです。

お役立ち資料"「従業員の健康管理における実態と課題」を調査"をダウンロードする
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戦略④ 産業医の立場と知識を最大限に活用する。

人事が産業医に面談や巡視をお願いするだけではなく、産業医という立場や知識を活かしてもらうことで、職場の衛生管理を円滑に進めることができます。

委員会開催を月一回の巡視の日に合わせ、衛生委員会と巡視が終わったあとに産業医面談を設定するなど、産業医が出られる日時にすることが大切です。それだけでなく、他にも産業医との連携を強める方法があります。

☑巡視結果などから、委員会の議題を提案してもらう。

産業保健の専門家として、従業員は気づかなかった点について、アドバイスをもらえるかもしれません。議題を提案してもらい、衛生委員会で対応策を話し合うと良いでしょう。

☑従業員の健康意識向上のため、衛生講話を依頼する。

衛生講話は、基本的に会社に依頼されてから産業医が講話内容を作る形になります。戦略③で紹介した季節に合ったトピック等を参考にしながら、会社側でトピックを用意しましょう。ストレスチェックや健康診断への講話を開き、従業員の受検率向上を狙うといった使い方もできます。

☑欠席の場合、議事録の確認とコメントをお願いする。

衛生委員会に産業医が出席できなかった場合、議事録を確認することが法律で定められています。議事録のフォーマットに産業医からのコメントや捺印の欄を用意するなどして、産業医が議事録を確認したことが証明できる仕組みを作ると良いでしょう。

☑会社に詳しく、相性のいい産業医を選任する。

産業医にもいろいろな人がいます。会社の方針や雰囲気に合い、会社の業務内容や従業員の働き方に理解のある人を選ぶと、連携が取りやすくなります。知り合いのつてで産業医契約をすると、なかなか人を選ぶことはできませんが、産業医紹介サービスを利用すると、会社に合った人を選任することができます。

戦略⑤ 時間管理を徹底し、議論しやすい環境を整える。

委員会がだらだらと長くなることを防ぐために、時間を意識して委員会を進める必要があります。多くの企業の例から、理想的な会議の進め方をまとめました。

☑報告項目を定め、文書にまとめておく。

事前に報告内容を文書にまとめておくことで、委員会では口頭で短く説明するだけにすることができます。多くの企業で報告されている項目はこちらです。

 ▢労災の発生状況
 ▢長時間労働
 ▢定期健康診断やストレスチェックの実施状況や結果
 ▢休職者の状況(産休育休、私傷病)
 ▢衛生委員の巡視の報告、その他衛生管理の報告
 ▢産業医による巡視を受けての衛生環境への助言

※休職者については個人情報が含まれることが多いため、取り扱いには十分注意を払ってください。

☑委員会は時間配分を考え、15分~30分に収める。

会議は通常15分、長くても30分に収め、産業医やメンバーに無理のないスケジュールを組みましょう。「報告:審議:総括=1:2:1」を目指し、報告5分、審議10分、総括5分の計15分とすることをお勧めします。産業医面談30分、巡視5分、次回打ち合わせ等5分が加わり、計1時間になります。

産業医面談は通常1人当たり15分が目安なので、面談希望者が3人を越える場合は延長となりやすくなり、調整が必要です。

☑司会は衛生管理者が司会をして、メンバーの発言を促す。

衛生管理の知識をもつ衛生管理者が中心になり、メンバーに意見を求めていく形にすると、議論が上手くまとまります。

☑机はロ型やコ型よりも、小さくコンパクトにまとめる。

メンバー間の距離を縮め、意見を出しやすくすることで、議論をスピーディーに進めることができます。

今のままでは、人事の負担が増えていくだけの衛生委員会になってしまうかもしれません。他の委員会メンバーと業務を分担し、人事の負担を軽くできる場として意味のある委員会にするために、ぜひチェックリストをご活用ください。

「衛生委員会を効率的・有意義にするための5つの戦略と実行のためのチェックリスト」はこちらからダウンロードできます。(PDFファイル)
(よくある議題や衛生講話トピック一覧付き。)

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