会社で救急箱の設置が義務な理由。適法な常備薬の中身は?

2019.10.3 更新 / 2019.8.27 公開
衛生委員会を有効活用
救急箱の設置は企業の義務!? 会社に必要な備品とは?

あなたが就業する事業場には救急箱はありますか?実は会社には救急箱の設置義務があり、その中身についても決まりがあります。適法な常備薬となっているか改めて点検してみてください。

労働安全衛生法による設備と救急箱3つの義務

労働安全衛生法(以下、安衛法)では、労働者が健康的で安全な職業生活を送れるようなさまざまな規定がありますが、事業場内の設備や備品についての規定も含まれています。

例えば、就業場所の照明設備について、半年以内ごとに1回の定期点検をしなければならない(普通作業の場合150ルクス以上必要)という環境に関わる設備や、負傷者の手当に必要な救急用具や材料を備え、備付けの場所や使用方法を労働者に周知しなければならないという救急箱の設置義務についても書かれています。この救急箱の設置義務はすべての事業者に対するものです。

今回は知っているようで実はあまり知られていない、事業場での救急箱に関する3つの義務「救急箱を設置する義務」「救急箱を周知させる義務」「救急箱内の品目に関する義務」についてお話ししたいと思います。

【義務1】会社に救急箱を設置

先に述べた安衛法に関係するものとして、労働安全衛生規則(以下、安衛則)や事務所衛生基準規則がありますが、これらの規則では事業場の救急箱の設置に関して以下の規定があります。

(救急用具) 第六百三十三条 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方 法を労働者に周知させなければならない。
2 事業者は、前項の救急用具並びに材料を常時清潔に保たなければならない。

労働安全衛生規則 第三編 第九章 救急用具(第六百三十三条-第六百三十四条)

(救急用具) 第二十三条 事業者は、負傷者の手当てに必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。
2 事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。

事務所衛生基準規則 第五章 救急用具(第二十三条)

会社には労働者安全で健康に働くように配慮しなければならないという労働契約法における安全配慮義務があります。さらに、この安衛則の規定にあるように救急箱の設置義務を負います。

【義務2】労働者に救急箱の場所と使用方法を周知

せっかく救急箱の設置義務を果たしても、救急箱がどこにあるのか、また、どのように使えば良いのかが周知されていなければ、いざという時に正しく使用できません。事業主には、救急箱の設置義務と、救急箱を設置した場所や使用方法を周知させる義務があります。万が一に備えて、また安全衛生教育の一環として、救急箱の設置場所や使用方法を教えておきましょう。事業場には救急箱の設置義務がありますが、救急箱はあくまでも緊急時に使用するためで、常備薬は各自が用意するようにアナウンスしておくと良いでしょう。

それから、この救急箱に入れておくべきものに関しても規定があります。

【義務3】救急箱の品目に関して

事業場に設置すべき救急箱の中に具体的に何を入れておけば良いのかは、安衛則第六百三十四条に規定があります。救急箱に最低限入れておかなければならないのは以下の品目です。

(救急用具の内容) 第六百三十四条 事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなけれ ばならない。
一 ほう帯材料、ピンセツト及び消毒薬
二 高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬
三 重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等

労働安全衛生規則 第三編 第九章 救急用具(第六百三十三条-第六百三十四条)

上記は事業場に設置しなければならない救急箱に入れる最低限の義務のあるものです。安衛則にも書かれている高熱物体の取り扱いや重症者の出る可能性のある事業場では、重大な怪我をする恐れもありますので特に注意してください。

適法な常備薬の中身になってますか?

高熱物体の取り扱いや重症者の出る可能性のある事業場以外の事業場では非常に簡単な品目だけですが、救急箱の消毒薬には使用期限もありますので定期的な確認をしてください。定期的に救急箱の中身の確認・補充をする担当者を決めておくのも良いですね。

もし、誰かが自分が医師から処方された頭痛薬や胃腸薬などを、事業場に設置義務がある救急箱に入れてしまったら、他の人が勝手にそれを使ってしまうかもしれません。ですから、救急箱の中身は欠品を確認・補充をするだけではなく、決められたもの以外が入っていないかどうかも併せて管理してください。

さいごに

事業場での救急箱に関する3つの義務は、設置、周知、品目についてでした。救急箱のお世話にならないのが一番ですが、いざという時のために普段から担当者を決めて救急箱をきちんと管理しておくと安心ですね。

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