従業員がメンタル不調で休職! 人事が行う手続きとは?

2019.8.30 更新 / 2019.8.30 公開
休職・復職にムリなく対応
人事が行う休職手続き

休職が必要な従業員が発生した場合、人事は休職者への対応だけではなく、労務管理上の手続きも行います。手続きの仕方が分からないと、バタバタした時に一から調べるのは大変ですよね。いざという時あわてないためにも、どのような手続きが必要か理解しておく必要があります。ぜひこの機会に、再確認してみましょう。

休職の手続きはどのタイミングでするの?

休職とは、ケガや病気(うつなど精神的な病気も含む)で一時的に働けなくなった場合に、一定期間休みを取り、会社に復帰できるよう回復期間を設ける制度です。休職は法律で定められた基準はなく、事業主の判断に委ねられています。そのため就業規則にて休職に関する決まりを定め、施行できるか否かを明確にする必要があります。

休職制度のある会社に勤めている人事の方は、休職者が発生した場合の従業員対応、休職中・休職後に必要な支援、自身の会社の休職制度を理解する必要があります。これら休職に関する業務の一つに事務上の手続きがあります。体調不良により休職が必要と思われる従業員が発生した場合、スムーズに休職を施行できるよう、手続きの方法を再確認しましょう。

休職前、休職中の社員対応に関しては、こちらの記事を参照してください。→休職中に放置はNG!! 復職に効果的な社員対応3つのポイント!!

休職者がでた場合、人事はどのタイミングで手続きを始めるべきでしょうか。休職は従業員から体調不良の訴えがあり、主治医・産業医から休養のため休職が必要と判断されたら、事業主が休職を決定して発令します。この段階で、事業主は休職者に対して必要な書類の提出を促す必要があります。

休職をするための手続きで必要な書類は?

休職を施行するにあたり、人事は休職者、またその上司に手続きに関する書類の提出を促す必要があります。休職の手続きに必要な書類は会社によって様々ですが、必要となる可能性の高いものは、1.診断書、2.休職願、3.長期休務報告書の3種類です。

1. 診断書

医師による診断書は、病気による休務なのか、怠慢による休務なのかを判断する指標にもなるため、休職に必要な書類の一つにしましょう。診断書には必要な療養期間を明記してもらい、有効期間を定めることが必要です。病気が回復しているにも関わらず、ダラダラと休職を続けてしまうことを避けるためです。病気の回復が十分でなく、休職を延長する場合は、新たに療養期間を定めた診断書を提出してもらう必要があります。休職期間中は復帰するまで1日も途切れないよう、診断書を提出してもらうことが望ましいです。有効期間が切れそうになったら、病院を受診した際に再度診断書を作成してもらうよう、休職者へ伝えましょう。

2. 休職願(もしくは休職届、休職申請書)

会社によっては、休職願の提出を必須とせず、従業員が休務に入り有給休暇や保存有給休暇がなくなった時点で、自動的に休職として受理されるケースもあります。休職願の提出が規程で定められている場合は、休職に入るタイミングでの提出を求めましょう。提出すべき人は、規程で定めておく必要があります。本人または上司が主ですが、介護休職や育児休職の場合は本人が提出、私傷病休暇の場合は本人ではなく上司から提出するなど、ケースに応じて提出者を変えておくと、よりスムーズに休職を発令できます。

3. 長期休務報告書

部署で長期休務を(何日で長期休暇とするかは、会社次第)している従業員がいる場合、上司が人事に対して提出する書類です。この書類は、人事が従業員の勤怠・給与管理を行う際に使用します。例えば、「欠勤○日以上を超えると交通費の支給をなくす」という通勤手当の管理や、賞与のカット・減給を管理する際に用います。会社によって勤怠・給与の管理方法は様々であるため、必ずしも必要とは限りません。上司に対して提出を求める場合は、「1カ月に1回提出」のように、提出頻度も定めておくといいでしょう。

人事へこれらの書類が提出されたら、事業主が休職を発令します。休職の可否の判断が会社に委ねられているのと同じように、必要書類についても会社ごとに独自で決めることができます。休職者が発生したときに、スムーズかつ統一した対応を行うためにも、あらかじめ書類に関しても明確にしておきましょう。就業規則に定めてもよいですが、就業規則が多くなりすぎると、わかりづらくなってしまいます。書類など細かな部分は、実際に対応する人事のスタッフが把握していればよいため、人事のマニュアルとして統一しておくのも一つの方法です。

休職中に傷病手当金をもらうための手続きとは…?

そもそも傷病手当金とは何でしょうか。傷病手当金とは、休職中の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。傷病手当金は支給開始した日から最長1年6ヵ月受け取ることができ、給与のおよそ6割が支給されます。休職者の経済的な支えとなるのが、この傷病手当金なのです。

傷病手当金の支給基準に関しては、以下の記事に詳しく記載されています。→【人事・産業医必見!】「主治医が傷病手当金書いてくれない」と相談されたら

傷病手当金は、健康保険(健康保険組合・協会けんぽ、共済組合)から支給されているため、傷病手当金を受け取るためには、休職者自身が所属している保険組合に申請をしなければなりません。申請をするためには、傷病手当金申請書(協会けんぽの場合、健康保険傷病手当金請求書)が必要です。申請書はそれぞれの健康保険組合、または協会けんぽのホームページからダウンロードするか、窓口でもらうことができるので、人事は申請書の入手方法も従業員へ伝えましょう。傷病手当金申請書は毎月一回提出します。医師が病状を記入する欄がある場合、通院時に忘れずに持参し、記入してもらった上で提出することも、忘れずに伝えましょう。

会社が所属している健康保険組合によっては、これにプラスして同意書が必要な場合もあります。障害厚生年金受給の有無など、個人の状況によっても、申請書以外に書類が必要となる場合があるため、必要書類や制度に関しては、会社が加入している健康保険組合(協会けんぽ)に確認しておきましょう。

さいごに

主治医・産業医から休職が必要と判断され、事業主が休職を決定したら、人事は早急に手続きを始めなければなりません。医師の診断書など、必要な書類が揃うのにはある程度の時間がかかるため、休職者や上司に対して必要な書類の提出をすぐに促すことができるよう、あらためて手続きの流れや必要な書類を見直しておきましょう。休職者にとって金銭的な援助はとても気になる部分です。休職者から相談された時に、すぐに答えられるよう、傷病手当金の手続きに関しても同時に見直しておくと安心です。

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