【メンタル対応】不調社員の休職と復職の流れを知ろう

2019.9.20 更新 / 2019.9.20 公開
休職・復職にムリなく対応
不調社員の休職と復職の流れ

近年メンタルヘルス不調による休職は増加傾向にあります。会社の人事を担当している方であれば、1度は経験したことがあるのではないでしょうか。不調社員がどのような流れで就業→休職→復職に至るのか。また社員が発信している不調のサインをどのようにキャッチし、早期発見に努めていけばいいのか。人事が休職者対応、、復職支援を行うにあたり知っておくべき事柄を説明していきます。

不調社員の休職につながるサインとは

休職に至る場合、きっかけは2つあります。一つ目は、本人の申し出により休職となるパターンです。本人が体調不良を訴え、診断書を持って休職の希望をしてくるでしょう。もう一つは上司や同僚が対象の社員の変化に気づき、介入を始めるパターンです。人はメンタル不調になると冷静な判断が難しくなるため、このラインによる報告がとても重要なのです。では、休職が必要になる社員の徴候とはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 体調不良による、欠席・遅刻・早退が増える
  • 業務上のミスが増える、業務スピードの低下(業務遂行能力が低下)
  • 上司や同僚との関係性が上手くいっておらず、仕事に支障が出ている
  • 以前に比べ、表情が暗く、発言が減った
  • 顔色が悪く、覇気がない

これらの様子が見られたら、不調の可能性があります。まず部下の不調のサインを見逃さず、気づくことが大切です。これらのサインに気づくために大切なのは、「タイミング」と「接する機会」です。

1. タイミング

不調になる要因は、「仕事外の要因」と「仕事のストレスによる要因」があります。「仕事外の要因」とは、プライベート上の環境変化(例:結婚、出産、引越し)や家庭事情(例:介護、育児)によりストレス過多となっている場合です。「仕事外の要因」の場合は、会社側が解決できる問題ではないため、個人での解決に期待をするしかありません。会社に産業衛生スタッフがいる場合は、産業衛生スタッフへの相談を促すのも一つでしょう。

今回は「仕事のストレスによる要因」がある場合の対応を考えていきましょう。「仕事のストレスによる要因」は、「異動や転勤による職場環境の変化」と、「業務量や業務内容」の2つの要因が考えられます。これら2つの要因により、ストレス過多となった場合、活気の低下、イライラ、疲れ、不安感、身体愁訴、抑うつといった、「ストレス反応」が生じます。そしてこれらのストレス反応が続くと、うつ病、パニック障害、不安障害、適応障害という「疾病」を引き起こすのです。

早期発見、早期治療につなげるためには、「疾病」となる手前の「ストレス反応」が見られているタイミングで不調のサインをキャッチすることが、大切です。

2. 接する機会

「ストレス反応」を出現したタイミングでキャッチするためには、日頃からコミュニケーションを取り、社員一人ひとりのキャラクターを知っておく必要があります。まずは管理職や人事が自ら、部下と接する機会を増やしましょう。定期的に1対1で話をする機会を設けるのもいいでしょう。部下から部下の情報を聴取するのもいいでしょう。日頃から部下とコミュニケーションを取り、関係性を築くことで、いざという時、フォローがしやすく、部下にとっても相談しやすい職場を構築することができます。

不調社員の休職と復職の流れ

不調社員のサインに気がついたら、介入を始めていきます。業務から離れ休養すべきなのか、それとも職場環境を調整することで改善が見込めるのか、判断しなくてはなりません。職場環境の調整とは、業務の内容や量の変更や、座席や部署(可能な場合)の変更を指します。

体調の区分

人の体調は「安静が必要」、「日常生活が可能」、「就業が可能な状態」の3つに分けられます。業務を遂行できるのは「就業可能な状態」のみです。
ここから休職マップを用いて、就業→休職→復職の流れを説明していきます。

休職復職マップ

(図の0→1)休職前後

会社で業務に携わっている人は、「就業可能な状態」に位置していますが、体調が崩れて働けない状態になると、「自宅安静が必要な状態」に変わります。この「自宅安静が必要な状態」は体調が著しく悪く何もできない状態であるため、日常生活も崩れています。そのため休職に入り、体を休める必要があります。

人事が行うこと

  • 休職の目的を伝える:休職は体調を改善して復職を目指すために行う
  • 休職中に、人事・上司から定期的な連絡をすることを伝える
  • 経済的な安心のため、休職後の給与、傷病手当金に関する情報を伝える
  • 休職のパンフレットを渡す

休職前の関わりやパンフレットの作成方法については、こちらにより詳しく説明があります。メンタル不調の社員に休職を言い渡すタイミングっていつ? 伝えるべきことって何?

(図の2)休職後1~2カ月

休職後1~2カ月目はまだ日常生活が安定しておらず、体調の波がある期間です。この期間は心身の休息が最優先であるため、休職者へのアプローチは最小限にしましょう。

人事が行うこと

  • 会社との「つながり」を持たせる意味で、定期的に連絡をする(迅速な返信は期待しない)
  • 通院の有無を確認する:この期間は病気を治すための通院が重要

(図の3)休職後3~5カ月

個人差はあるが、3~5カ月目になると体調はある程度改善し、日常生活に問題はなくなります。この期間は復職に向けて、生活リズムを整えたり、復職の準備をしたりする必要があります。

人事が行うこと

  • 「つながり」を持ち、「意欲性」を向上するため、定期的な連絡をする
  • 復職するための目標を立て、達成に向けプランをたてる(例:通勤訓練、リワークの利用)

(図の4)休職後5~6カ月目

社会生活が可能になる期間です(あくまで目安であり、個人差はあります)。復職に向けて手続きを進めていきますが、、まだ疲れやすいため、慎重に進めていく必要があります。

人事が行うこと

  • 主治医の復職可の診断書の提出を促す(必要な場合は生活リズム表も)
  • 産業医の復職面談を設定する
  • 産業医の判断を元に、復職可否を判定する。
  • 復職判定委員会にて、復職を決定する

(図の5)復職

ついに復職です。しかしまだ社会生活を営むには不安定な部分があり、復職後2~8週間は体調が悪くなりやすい期間であるため、再休職にならないよう引き続きフォローが必要です。

人事が行うこと

  • 復職が決定したら復職支援プランを作成する(基本的には上司が作成し、共有する)
  • 定期的に上司、人事、産業医との面談を行う
  • 再休職のルールを本人と確認しておく(復職支援プランに入れると良い)

さいごに

ラインケアとして、上司や人事は不調者の気づきと対応が求められています。日頃からコミュニケーションを取り、社員の不調に気づけるようにしましょう。また不調者が出現した場合は、休職の必要性を見極め、産業衛生スタッフや専門家につなぐことが大切です。休職後は復職に向け、流れを理解し、その時々に合った対応ができるようにしていきましょう。

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