休職後はどんな経過をたどるのか。復職のために必要な対応とは?

2019.10.18 更新 / 2019.9.17 公開
休職・復職にムリなく対応
休職後のフォロー

近年、多くの企業で人手不足になっていることに加え、職場における業務の効率化が進んでいます。更に成果主義の導入により厳しい環境での労働が増え、ストレスからのメンタルヘルス不調が増加しています。企業はメンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みも大切ですが、顕在化している不調者のフォローも重要です。特に、休職後のケアは欠かすことができません。復職に向けて最適なフォローをするためにも、休職中の従業員がどのような経過をたどるのかを理解し、休職後のフォローの方法を考えてみましょう。

休職後の連絡対応はいつからOK?

常日頃、メンタルヘルス対応を行っている産業衛生スタッフや人事が頭を悩ます問題の一つが、休職となった従業員に対するフォローです。いつ頃からコンタクトを取るべきなのか?、そもそも休職中に会社の関係者がコンタクトをとっていいのか?法律上問題はないのか?悩ましいところです。

結論から言うと、休職後に会社関係者が連絡を取ることは問題ありません。しかしメンタルヘルス不調の場合、休職直後の連絡は休職者のプレッシャーとなる可能性があるため、連絡を取り始める時期は、休職に入ってから1~2カ月後がおすすめです。メンタル不調の場合、自宅療養に入り職場から一定の距離を置くことで、症状の落ち着きをみせることが多いです。産業衛生スタッフや人事が関わることは、復職に向けたリハビリとなる一方で、休職者が職場を意識してしまうきっかけにもなり得ます。そのため、始めの1~2カ月はコンタクトを取らずに、休職者が療養に専念できる環境を作るようにしましょう。

コンタクトを取らない期間を設けることで、症状の落ち着きをみせることは多いですが、会社を休んでいることへの罪悪感や、復職ができるのかと不安を抱きやすい状況でもあります。不安軽減の目的で、休職に入る前に「休職の目的」、「休職開始~休職中~職場復帰までのおおまかな流れ」、「休職中のコンタクトの取り方」を事前に話し合っておきましょう。

休職者はどのような経過をたどるのか、復職対応はいつから?

休職後のサポートは、復職に向けて良好な経過をたどるためにとても重要です。その時々のタイミングにあった対応をするためには、休職者が休職後から復職までの間、どのような経過をたどるのかを知る必要があります。

病気の回復の経過は人によって異なりますが、大まかな目安として、1~2カ月で日常生活が可能になり、3~4カ月以降に就業が可能な状態になります。この就業が可能な状態というのは、1. 就業意欲があること、2. 生活リズムが整っていること、3. 翌日までにその日の疲労が回復できること、4. 通勤ができ業務が遂行できる、5. 環境に適応できる、といった5つのポイントを満たしている状態を指します。

回復の状況モデル

休職後、上司や人事が連絡を取り始める時期を1~2カ月後にするのは、1~2カ月くらいたつと、症状が落ち着き規則正しい生活パターンを取り戻すことで、一般的な日常生活を送ることができるようになるためです。1~2カ月たち、病状の回復が確認できたら、就業可能な状態を目指して積極的にサポートを開始していきましょう。

休職後の対応 3つのポイント!

ポイント1 安心感のもてる対応をしよう!

休職後の対応で大切な1つ目のポイントは、休職者が休職に入ることや、休職後の生活に対して安心感を得られる対応をすることです。休職時にパンフレットや資料で、傷病手当金など経済面や、復職のルールについて説明することは、休職に対する不安の軽減に有効です。
休職中であっても、状況確認のために会社から連絡がいく旨を伝えることは、連絡が来るのだと心構えができると共に、会社のサポートが得られる安心感につながります。

ポイント2 つながり感のある関係性を作ろう!

休職者にとって、休職中も会社とのつながりを持つことは、復職を意識する上で重要です。療養中は、2週間~1カ月に1回の頻度で、上司もしくは人事から連絡を取り、事務手続きや状況の確認を行いましょう。就業意欲は、社会とのつながり感によって発生するため、病状が安定してからは定期的に面談をすることで、復職への意識を高めることができます。

連絡を取る際は、以下の点を参考にして下さい。会社からの連絡が、休職者のプレッシャーやストレスにならないように注意していきましょう。

  • 連絡を取り始める目安は休職後1~2カ月頃から。
  • 連絡頻度や連絡手段は本人の病状に合わせ、2カ月に1回→1カ月に1回、メール→対面と変えていくと有効。
  • 連絡を取るのは基本上司がおすすめ。しかし上司との関係性に問題がある場合は人事や産業衛生スタッフが連絡を取る。
  • 休職中は原則仕事のことについて話をしない。(社内報などを渡し、会社の情報を提供するのはOK)
  • 体調や通院状況については必ず本人から聞く。(難しい場合は家族から聞くことを検討)

ポイント3 復職は慎重に!
就業が可能な状態に回復し、復職がみえてきたら、復帰前の事前面談を行いましょう。事前面談は、復職を検討している約1カ月前に実施します。事前面談では、復職の最終決定を行うために、産業医が「本人の体調」、「復職可能な状態かどうか(主治医の意見をもとにする)」の2点を判断します。

「復職可能な状態かどうか」を判断するポイントは、「今回の不調の原因について考え、今後の対応を取り組み始めているか」です。体調がもとに戻っていても、本人が病気への理解を十分にできていなかったり、病気に対する対応を自身でできていなかったりすると、休職を繰り返してしまう原因になります。また休職後にも関わらず、「私は病気じゃないから薬を飲まない」、「よくなったから勝手に通院をやめた」のように病気への意識が薄いと、復帰後にトラブルが生じる原因にもなり得ます。厳しい言い方をすると、自身の病気に目を向けることは最低限のレベルであり、これすらできない場合は、復職は問題外なのです。

復職時は生活リズムや業務遂行性を見極め、必要時はリワーク施設(復帰支援を目的とした就労施設)に通うことを条件とするなど、復職の判断は慎重に行うことが大切です。

さいごに
休職者は基本的に「病状を改善→生活リズムを整える→仕事ができるか、また復帰意欲を確認し、可能であれば復職」の経過をたどります。その時々に合った対応が大切ですが、最も重要な関わりは、定期的にコンタクトを取り、会社とのつながり感を維持することです。会社とのつながりを持つことで、就業意欲が生まれ復職へと前向きに取り組むことができるのです。人事や産業衛生スタッフは、復職につなげることができるよう、休職後の経過を踏まえた支援を実施していきましょう。

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