会社を休みがちで連絡が取れない従業員 休職させる前に自宅を訪問するはOK?

2020年5月18日 更新 / 2019年9月4日 公開
休職・復職にムリなく対応
休みがちな従業員に対して、人事は何をすればいいのか?

会社を休みがちであり、本来なら休職にしたいが、連絡の取れない従業員。人事や産業衛生スタッフの方は、一度は出会ったことがあるのではないでしょうか。「家に訪問する」「緊急連絡先に連絡する」様々な対応方法がありますが、できるだけトラブルになりづらい対応を取りたいものです。今回は休みがちな従業員に対して、人事は何をすればいいのかを解説していきます。

(1)休職前に、休みがちな従業員の家を訪問してもいいの?

従業員が休みがちな場合、まずは上司から従業員へ連絡を入れることが多いと思います。しかし、電話やメールで連絡をしても返ってこないことがありますよね。そのような場合、次に取る行動として正しいのは、「緊急連絡先に連絡」、「上司・人事が従業員の家を訪問する」のどちらでしょうか。

結論から言うと、「1. 電話・メールで連絡→ 2. 上司・人事が従業員の自宅を訪問→ 3. 緊急連絡先に連絡」の順で連絡をするのがベターです。

  1. まずは電話、メールで連絡を取ります。一度だけでなく複数回、連絡を取りましょう。連絡を取る際は、電話だけではなくメールなど、連絡を取った痕跡が残るツールも利用するようにしましょう。
  2. 電話やメールをしても、返答がない場合、次に上司・人事で従業員の自宅を訪問しましょう。緊急連絡先に連絡したくなるかもしれませんが、状況を確認せずに、緊急連絡先に連絡してしまうと、従業員と思わぬトラブルになる可能性があります。そのため、まずは状況確認を優先しましょう。部屋の中で倒れているケースもあるため、訪問したら本人の安否を確認するようにしましょう。もし不在の場合は、ポストなどに訪問したことが伝わるようなメモを残しましょう。
  3. 自宅訪問で本人の状況が確認できない場合は、上司または人事から緊急連絡先へ連絡し、安否の確認を行います。あらかじめ緊急連絡先には、同居者や、親族など本人の安全をすぐに確認できる人を記載してもらいましょう。

「少し休んだだけで、自宅を訪問したり、緊急連絡先に連絡したりするなんてやりすぎだ」と不満をこぼす従業員もいるかもしれません。しかし実際に自宅を訪ねてみたら倒れていた、というケースも実際にあるのです。自宅への訪問や緊急連絡先への連絡は、会社にとって安全配慮義務を遂行する上で、必要な事柄です。「何かあってからでは遅い」という気持ちを常に持ち、従業員管理をするようにしましょう。

(2)休職適応かを訪問後に判断するには

一概に長期欠勤と言っても、それが「欠勤理由が怠慢なのか、病気(メンタルヘルス不調を含む)なのか」、「会社に連絡をした上での休みなのか、無断欠勤なのか」それぞれの場合により、対応が変わってきます。対応の仕方を考える場合は、なぜ欠勤しているかを考えましょう。

欠勤理由が怠慢の場合は、会社に連絡を入れていても、無断欠勤でも、どちらにおいても「解雇理由」になり得ます。従業員を解雇する際に注意することは、あらかじめ解雇事由を就業規則に明記するです。就業規則に解雇に関する決まりがないのに、解雇を行ってしまうと、労働基準法に反してしまうだけでなく、従業員とのトラブルの原因となります。無断欠勤、出勤不良、職務怠慢、遅刻過多の場合を見据え、就業規則を定めるようにしましょう。

欠勤理由が病気(メンタルヘルス不調を含む)の場合は、就業規則にのっとって休職適応となります。会社へ連絡がある場合は、上司などコンタクトを取る代表者が連絡を取り続け、休職に向けた支援を行いましょう。無断欠勤の場合は(1)の1~3で解説した手順で、まずは本人と連絡を取ることから始めます。

怠慢か病気かの判断は診断書があるかないかでの判断をおすすめします。診断書がない場合は怠慢とみなし、自己都合での休暇という扱いになります。「自己都合の休暇がどれくらい続いたら解雇にするか」、「有給休暇分の賃金は全額支給、それ以降の欠勤中の賃金は支払わない」という規則をあらかじめ決めておくと、統一した対応ができる上、トラブルになりづらいです。診断書がある場合は、休職適応となります。休職により、従業員が心身ともに健康な状態に向かえるよう、支援していきましょう。

お役立ち資料"働き方改革の新しい義務『健康情報管理規定』"をダウンロードする
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(3)休みがちな従業員に、人事ができるアプローチは?

長期で欠勤していなくても、1日2日の休みを繰り返している従業員もいますよね。そのような従業員に対しても、上司や人事が状況把握を行い、場合によっては注意をすることが必要です。従業員が休みがちな場合、まずは状況把握のため、休んでいる理由を本人に尋ねましょう。休んでいる理由が疾病や介護といったやむを得ない理由でない場合、勤務態度に問題があると判断できるため、注意をした上で出勤状況を改めさせることが必要です。上司や同僚との間にトラブルがあり、出勤できていない場合は、人事や産業衛生スタッフが相談に乗り、トラブルの解消に向けたラインケアが必要になります。

ラインケアに関しては、こちらに詳しく記載されているので、参照してください。→管理職必見!! メンタルヘルス対策の本質は職場のラインケアだ!!

人事が従業員の勤務状況についてアプローチをしたり、その後フォローアップをしたりする場合は、怠慢よりも病気などが原因であることが多いのでしょう。病気により、出勤状況に乱れがみられる場合は、身体的な病気、精神的な病気に関わらず、専門医への受診を促し、主治医を作りましょう。その後の出勤に関しては、主治医、産業医と相談のもと、加療しながら出勤が可能なのか、それとも仕事は休み治療に専念したほうがいいのかを判断する必要があります。休んで治療が必要と判断した場合は、休職に向けた準備に入ります。休職を発令する際は、休職の目的をしっかりと本人に伝え、目的を理解したうえで休職に入れるような関わりを行いましょう。

なお、休職中の社員対応についてはこちらの記事を参照してください。→休職中に放置はNG!! 復職に効果的な社員対応3つのポイント!!

さいごに

休みがちな従業員や、連絡の取れない従業員へのアプローチは、安全配慮義務の観点からも人事にとって避けては通れない点です。休みがちな従業員が放置されてしまうことは、生産性の低下にもつながります。休息が必要な従業員に対しては、休職を発令することも会社にとって必要な対応です。従業員が無理をして働かなくてもいい環境を作るために、休みがちな従業員に対して早期に対応できるような体制を整えていきましょう。

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