労災の6割、腰痛を食い止めろ。職場の腰痛予防の基本3つ

2019.9.3 更新 / 2019.9.3 公開
衛生委員会を有効活用
職場の腰痛リスク、6つの要素

腰痛は職業病の6割を占めると言われています。特に怖いのはぎっくり腰。腰痛は動きすぎても、じっとしていても発症する可能性があります。厚生労働省の「腰痛予防指針」を元に職場でできる腰痛対策をまとめました。

第12次労働災害防止計画でも注目されている腰痛は、職業病の6割を占めるといわれ、この指針を「腰痛対策指針」と呼びます。ではこの指針を元に職場で行う腰痛対策を解説します!

腰痛予防の準備をしよう

腰痛を予防するための管理体制を整えましょう! 職場で腰痛の予防をするには「4つの役割を決めて、労働衛生管理体制を整えよう」で解説したように、労働衛生管理体制を整えることから出発します。

労働衛生3管理である、作業環境管理(場)、作業管理(動)、健康管理(内)を総合的に実施して継続していくことが大切です。

労働衛生3管理

職場の腰痛リスク、6つの要素

指針では労働衛生の3管理から腰痛の予防を解説していますが、ここでは腰痛の原因になる要素をまとめました。

職場での腰痛は以下の要素が関係していると考えられています。

  • 対象物や対象者
  • 姿勢や動作
  • 環境
  • 作業者の体質
  • 作業時間
  • 管理体制

基本はこの6つに着目して3管理を行うことが腰痛予防につながります。では労働衛生の3管理に照らし合わせて解説していきます。

【腰痛予防その1】場を制する

作業場の環境を改善します。例えば、床が滑りやすかったら腰に負担がかかります。また、腰痛は湿度にも左右されます。こうした要因に気を配っていきます。

過ごしやすい室温

寒いところだと腰痛が悪化したり発生しやすいため、快適な室温に保ちましょう。

作業空間を快適に

良い作業空間の条件は、大前提として、十分な作業空間と機械が適切な場所にあることです。次に、足元が見えるように照明は明るく、床はデコボコしていたり段差がなく、滑りにくい素材であることが条件です。また、もしもの時のためにも横になって休める場所も必要ですね。

振動を減らす

主に車を作る仕事や車を運転する職場に当てはまります。
機械の操作、運転で腰や全身へ激しい振動や長時間の振動を受けるのであれば振動を減らす対策をしましょう。

【腰痛予防その2】動を制する

作業方法の改善です。まずは作業マニュアルの作成&作業管理体制を整えること。職場で採用している作業方法が作業者に合っているか定期的にチェックしましょう。作業者の年齢、性別、力といった特性を個別に見て判断することも大切です。

作業を楽に

作業を自動化、省力化をする方法です。腰に負担がかかる物を扱うときや、不自然な姿勢をする作業には機械で自動化をしましょう。難しい場合は台車や補助機器を使いましょう。これが省略化です。

姿勢や動作

対象物にできるだけ体を近づけて作業しましょう。どうしても不自然な姿勢をとらざるをえないのなら、なるべくその姿勢の程度を小さくして回数と時間も減らしてください。もちろん作業台やイスはちょうど良い高さに調整してください。作業台はひじの角度が90度になる高さを目安に。

休憩や作業量

休憩を設けて姿勢を変えられるようにしてください。夜勤や交代制勤務などは昼間の作業量を下回るようにすること。もちろん仮眠も必須です。過労を起こすような長時間勤務はさけるべきです。

服装

作業のときに履く靴は足に合ったものを使うこと。当然ですがハイヒールやサンダルはダメです。革靴もさけたいですね。

作業服は動きやすいものが必要です。腰の保護ベルトは個々に使うかどうか判断すること。

【腰痛予防その3】内を制する

作業者の健康管理です。

健康診断

常時腰に負担がかかる作業の場合は、6カ月以内に1度健康診断をしてください。また、そのような作業に配置させるときも必要です。

職場でストレッチ

腰痛を予防するストレッチをしましょう。腰痛の予防は体の柔軟性が大きなポイントとなります。無理なく体を柔らかくしましょう!

休職者に対して注意すること

腰痛経験者ならご存じの通り腰痛は9割と言っていいほど再発しますよね。腰痛で休職していた人が復帰する場合は産業医の意見を必ず聞いて、必要があれば個別に対策をしてください。

職場で腰痛とその予防について教える

労働衛生教育です。企業や作業の内容によって教育の内容も変わってきますが例えばこんなのはどうでしょうか?

  1. 腰痛が起こるケースと緊急時の対処法を教える
  2. チェックリストを作って腰痛予備軍を把握
  3. 腰痛予防ストレッチのレッスン
  4. 腰痛で休める職場の雰囲気作り
  5. 健康的な生活のススメ

簡単なパンフレットなどを作成+配布するのも有効ですね!

さいごに

軽い症状でも仕事に集中できなかったりと侮れない腰痛。意外にも働き盛りの世代に腰痛が多いことが調査で分かっています。厚生労働省の平成16年度「職場における腰痛発生状況の分析について」によれば25歳〜35歳が最も多く33.8%を占めています。「まだ若いから…」は通用しません! 年齢性別関係なく腰痛対策の必要がありそうです。

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