育休中の従業員にも健康診断は必要?産休中との違いや関連する法律も紹介!

2021年4月1日 更新 / 2021年4月1日 公開
健康診断の効率化

「育休中の健康診断は義務の対象なの?」
「育休中の従業員に健康診断を受けさせる条件はあるの?」
と悩むことはありませんか?

労働安全衛生法第66条では、事業者は従業員に健康診断を受けさせるよう定められています。しかし、従業員の休業中はどう対応すべきか迷う方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「育休中の従業員に健康診断を実施すべき?」といった疑問にお答えします。「育休中の健康診断の費用は会社負担?個人負担?」といった疑問についてもお答えしているので、ぜひ最後までご一読ください。

【前提】産休中・育休中の健康診断との関連性とは?

前提として押さえておきたい点が、健康診断は「働く際に健康上問題がないか確認するための検査」だということです。つまり「産休中」と「育休中」は働かないため、健康診断は必要ありません。

産休と育休の期間の違いは、法律で以下のように定められています。

産休・産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)~産後8週間
育休・法律で定められている期間:原則として子どもが1歳に達するまで

参考1:あなたも取れる! – 厚生労働省
参考2:育児・介護休業法のあらまし – 厚生労働省

上記の期間は法律で就業しないことが定められているため、健康診断は必要ありません。

ただし、「福利厚生として定めている産休育休期間」の場合は、健康診断を実施するケースも。実際に会社の福利厚生に含まれる育休期間中に、従業員が受診を希望するケースもあります。

福利厚生は会社が定めるものなので、受診の有無については会社の判断で決めて問題なく、産業医や労基署などに相談する必要はありません。

一方で労働安全衛生法第66条では、次のように定められています。

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。

労働安全衛生法

つまり会社は従業員に対し、健康診断を実施する義務があります。そのため「法律で定められている育休を取得している従業員に、健康診断を受診させるべき……?」と悩む方もいるのではないでしょうか。

会社が従業員への安全配慮義務を達成するためにも、その対応について正しく理解することは重要です。そこで次に、法律で定められている育休中の従業員の健康診断について解説します。

育休中の従業員には、健康診断を受けさせるべき?関連する法律も紹介!

育児・介護休業法では、原則として子どもが1歳に達するまで育休を取得できると定められています。育休中は会社の仕事をしていないため、従業員に健康診断を受診させる必要はありません。

なぜなら、労働安全衛生法は平成4年に「育児休業等により休業中の労働者に係る健康診断の取扱いについて」という通達が出され、育児休業中の従業員に健康診断を受診させなくてもよいと明記されたからです。

しかし育休から職場復帰した従業員には、速やかに健康診断を実施する必要があります。企業の担当者は、育休から復帰した労働者に漏れなく健康診断を受けさせるよう注意しましょう。

とはいえ、育休中の健康診断について「従業員から受診希望があった場合は……?」「育休中の健康診断の費用は、会社が負担すべき……?」と疑問に感じるケースもあるのではないでしょうか。

そんな方に向けて、育休中の健康診断でよくある4つの質問とその回答をお伝えします。

育休中の健康診断でよくある4つの質問とは?回答とセットで解説!

育休中の健康診断でよくある質問は、以下の4つです。

  1. 育休中の従業員から受診希望があった場合、どうすればいいの?
  2. 育休中の健康診断の費用は会社負担?個人負担?
  3. 子連れで健康診断の受診を希望された場合の対応は?
  4. 育休中の従業員への対応について、相談できる場所はないの?

それぞれ順番に見ていきましょう。

【質問1】育休中の従業員から受診希望があった場合、どうすればいいの?

法律では、育休中の健康診断は義務付けられていません。そのため、仮に従業員から受診希望があった場合も、法律上受診義務がない点を伝えて断る流れとなります。

そして相談内容と対応方法をもとに安全衛生委員会で協議し、就業規則等で定めておきましょう。そうすれば、今後育休中の従業員から健康診断の相談があった際、スムーズに対応できます。

【質問2】育休中の健康診断の費用は会社負担?個人負担?

繰り返しになりますが、育休中の健康診断は法律で義務付けられていません。そのため従業員の希望で健康診断を受診する場合は、費用を個人負担にすることも可能です。

ただし育休中の従業員に、会社から健康診断の受診を指示した場合は会社負担となるので注意しましょう。

いずれにせよ、育休中の健康診断の費用については、安全衛生委員会などで協議の上決定し、就業規則等に定めておくことをおすすめします。

【質問3】子連れで健康診断の受診を希望された場合の対応は?

子連れで健康診断を希望された場合は、健診機関・クリニックに相談・確認しましょう。託児所が近くにある場合は、認めてもらえる可能性もあります。

またバスで健康診断を受ける場合も、子連れで受診できるか確認することをおすすめします。もし子連れで健康診断を受けられない場合は、親が健康診断を受けている間会社の会議室などで子どもを見ておけるか検討しましょう。

【質問4】育休中の従業員への対応について、相談できる場所はないの?

育休中の従業員への対応について相談できる場所は、主に以下の3つです。

  • 産業医
  • 地域産業保健センター
  • 健康相談窓口のあるサービス

健康診断の対応で悩んだときは、産業医に相談しましょう。もし会社に産業医がいない場合は、地域産業保健センターの相談窓口を利用するのがおすすめです。

参考:「地域窓口(地域産業保健センター)」

また、産業医や地域産業保健センター以外にも、健康相談窓口のあるサービスを利用して相談する方法も。

たとえば健康管理システム「Carely(ケアリィ)」では、チャットサポートなどで相談できる窓口を用意しており、育休中の健康診断についての相談に乗ることも可能です。相談窓口を利用することで、健康診断の悩みを適切に解決できます。

さらにCarelyの健康相談窓口では、以下のようなサポートも実施しています。

  • 従業員からの健康相談の受付
  • 専門家による、高ストレス・過重労働者に対してのフォロー
  • 休復職の支援

Carelyを使えば健康診断の悩みが解決するだけでなく、従業員の健康を守ることにも繋がります。Carelyの詳細については、以下からお問い合わせください。

育休後の健康診断を拒否された場合、どうすればいいの?

働く上で健康に問題がないか判断するためにも、健康診断は必須です。そのため基本的には、育休後は「速やかに」健康診断を受診しなければなりません。

中央労働災害防止協会からも、以下の通達が出ています。

休業修了後、速やかに当該労働者に対し、定期健康診断を実施しなければならないものであること。

育児休業等により休業中の労働者に係る健康診断の取扱いについて|安全衛生情報センター

しかし復帰後は、いち早く仕事の勘を取り戻すために健康診断の受診を拒否、または延期を相談される可能性もあります。

こういった場合は、まず会社の産業医に相談しましょう。その上で判断が難しいときは、労基署に相談することをおすすめします。

間違っても、会社の独断で健康診断を受診させない判断をしないよう気をつけましょう。

また、以下の記事では3つのケースにわけて、健康診断を拒否された際の対策について詳しく解説しています。ぜひこちらもご一読ください。

■従業員が健康診断を拒否する3つのケース

  1. 健康診断の受診自体を拒否した場合
  2. 健康診断の法定項目の一部(レントゲン検査など)を拒否した場合
  3. 健康診断の法定外項目(胃カメラなど)を拒否した場合

まとめ:育休中の健康診断は必須ではないが、対応に迷うときは相談すること

健康診断は、「働く上で健康に問題がないか確認するための検査」です。そのため、法律で定められている育休中の従業員に、健康診断を受診させる必要はありません。

しかし育休中の従業員から受診希望があるなど、その対応に悩むケースもあるでしょう。その場合、産業医や地域産業保健センターなどに相談して判断することをおすすめします。

また育休中の従業員の健康診断の相談は、産業医や地域産業保健センターだけでなく、Carelyのような健康相談窓口のあるサービスでも可能です。健康診断に関する悩みがある方は、以下からお問い合わせください。

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