健康管理戦略の実現には、産業医とCarelyの連携が不可欠です。

きっかけは産業医の変更です。グローバル採用を進めていて、社員120名のうち20名弱が日本語を話せない外国人スタッフのため、産業医として相応の能力はもちろんのこと、英語が話せる産業医探しに苦労していました。そんな時にiCAREさんに出会いました。(取材:2018年12月)

従業員数
160名
業種業態
インターネット・アプリ
導入理由
  • 紙やエクセルでのデータ管理から脱したい
  • 優秀な産業医を選びたい
株式会社HENNGE(旧:株式会社HDE)
人事部長 高橋 実 様
大手企業の導入実績多数、シェアNo.1のクラウドセキュリティサービス「HDE one」を提供。産業医選任からストレスチェック、将来の健康管理戦略を見据えてCarelyを導入。
産業医 穂積 桜 先生

産業医とCarelyが相乗効果を生む産業衛生体制

iCAREとご契約していただくことになったきっかけは何でしたか?

高橋さん: きっかけは産業医の変更です。グローバル採用を進めていて、社員120名のうち20名弱が日本語を話せない外国人スタッフのため、産業医として相応の能力はもちろんのこと、英語が話せる産業医探しに苦労していました。そんな時にiCAREさんに出会いました。
iCAREさんはすごく良い取り組みをしていると前から感じていましたし、産業医のご紹介においても、代表で現役の産業医である山田さんが目利きをしてご紹介いただけるのは、大きなポイントだと思っていました。
それで、紹介していただいた穂積先生と面談し、是非お願いしたいと思いました。
穂積先生: ありがとうございます。光栄です。
高橋さん: また、ストレスチェックについても業者選定で同じく苦労していました。英語対応できる業者が少ないこともありましたが、「法律で決まったからストレスチェックのシステムを提供します。それ以上でもそれ以下でもないです。」というものだと、社員の“やらされ感”が強くなってしまいます。
また、経営陣から見てもストレスチェックが一過性のもので、1年に1回システム使うだけといった話で終わるのであれば、単なるコストにしか見えなくなってしまう。
ストレスチェックはあくまで副次的なもの。その結果をきっかけに、社員が自身のセルフケアをできるようになったり、人事が新たな施策を仕掛けたりするところまでつなげられないと、面白みがないと思っていました。
そういう意味で、Carelyは単なるストレスチェックシステムではなく、セルフケアのための窓口となるチャットがサービスの前面に出ていて、付属的にストレスチェックを受けられる。そのようにご提案いただいたことが大きかったですね。

穂積先生にはHDE様の産業医をお願いしていますが、一緒にCarelyがあるメリットは感じますか?

穂積先生: ストレスチェックに関して、受検後に産業医面談が本当に必要なのかをCarelyのチャットで予めスクリーニングをしていただくことで、行う必要がなかった面談を避けることができ、面談者が多すぎて訪問時間が伸びてしまう可能性を減らせます。高ストレス者の対応というのは、慎重かつ丁寧に行いたい部分ですので、Carelyの存在は心強く感じています。
そもそも産業医面談を自ら希望される社員さんは、どこの企業でも多くないと思います。人事と産業医が拾いたくても拾えない社員さんが、チャットで拾えるということは強固な産業衛生体制に間違いなくつながると思っています。
高橋さん: 今は穂積先生に入ってもらって、とても安心感があります。
これまで社員のメンタルケアとフィジカルケアに関してどちらかというと受け身でやっている状況でしたが、今後の成長や社員が増えることを見据えた時に、このままでは組織が破綻する可能性が高いと危機感を感じています。
人事としては、そうなる前にしっかり手を打っていかないとならないと思っています。メンタルやフィジカルの問題は誰しもが潜在的に持っている問題だと思っていて、たとえば風邪になった時、まだ症状が軽いうちに社員それぞれが自ずとケアできる仕組みが必要だと思っています。
それこそが真に我々のやりたいことであり、いわゆる健康管理戦略がめざすイメージです。
穂積先生: その健康管理戦略を勘案すると、産業医は月に1回しか訪問していないし、産業医面談を実施したとて、その1回の面談ですべてが解決するわけではありません。
働きながらメンタルケアとフィジカルケアを行っていくには、日々の生活に入り込んで、行動変容を図っていかなければならないと考えています。
その点、Carelyはコミュニケーション方法がチャットということもあり、社員さんも利用しやすいと思いますし、Carelyが社員さんの日常をフォローしてくれるということは産業医としてもやはり安心ですね。

ストレスチェックの結果が示すHDEで働く自由と責任の大きさ

ストレスチェックを実施した感想はどのようなものでしたか?

高橋さん: ストレスチェックの結果は想定内のものでしたが、それは自分の感覚でしかなく、数値として顕在化されたことに意味があると思っています。定量的なデータこそ戦略に反映させることができるものなので、それは価値あることだなと。
実際の運用では、全般的な工数を巻き取って頂いた印象です。社員から使い方に関する質問が来ると思っていましたが、Carelyのインターフェースがしっかりしているため、質問に回答する工数はかかりませんでした。
また、日本語版しかなかった社内周知のドキュメントを、英語表記に変換していただいた点は非常に助かりました。もちろん社内用に少し編集はするのですが、たたき台があることで大幅に工数は削減されましたね。
穂積先生: ストレスチェックのフォローアップとして、Carelyの更なる社内浸透がポイントだなと思っていて、産業医を担当している他社でもCarelyの浸透について、人事と相談することはよくあります。
その点、高橋さんはどのようにお考えですか?
高橋さん: こんなことが相談できるというアピールをしたり、実際の体験談を公開したり、導入の仕掛けを考えていく必要がありますよね。
ただ、良いサービスと感じるのは社員であって、利用後の所感というのは人事から極力言わない方がいいと思っています。
「これ便利だよね」と感じ取ってもらって、それが自然と社内で伝播するような仕組みを考えるのが、人事の成果として捉えるべきだとも思っています。
穂積先生: なるほど。ある企業では衛生委員会のメンバーがハブとなって、「衛生委員会でこんな話が聞けた」と社内で評判が流れるような仕掛けを作っていました。追々考えていきたいですね。
高橋さん: そういう意味では、先日穂積先生の自己紹介ムービーを用意したのも仕掛けのひとつです。
日本語と英語と中国語、3パターンのムービーを撮影しました。積極的に産業医の存在を社内に宣伝していって、何かあった時に産業医に頼ろうとするアンテナが立つことが狙いなんですよ。
ムービーによって産業医の存在を社員が認知するか、それに対してどう思うか、面白そうって思うのか、その反応を見て次の一手を仕掛けていきたいです。
穂積先生: Carelyに関しても、そのような仕掛けを作っていきたいですよね。
高橋さん: Carelyの利用率はまだまだこれからだと思います。だからと言って、利用率だけをベンチマークするのは、我々が望む仕組みではありません。
利用率は人事が上げるものではなく、社員に良いものだと感じてもらって自然に上がっていくものなので。何事もそうですが、Carelyについても利用率が自然に上がっていくために、何ができるのかを人事は考えるべきだと思っています。

ストレスチェック後の集団分析も弊社で行わせていただきました。「活気がある」、「仕事のコントロール度が高い」といった結果が目立つなど、良い要素が多かったように感じます。

高橋さん: HDEは仕事の裁量権を社員にすごく委譲するので、「仕事のコントロール度が高い」という結果は頷けるものですが、逆に言うとそれぞれの社員が相応の責任を感じて仕事をしてくれている証だと思っています。
そして、それはすごくキツいことでもあって、今までやったことがないようなギリギリの決断も全部自分に求められてしまうので、制約条件や枠組みがあって、ある程度決定プロセスがある方が楽だと思います。
裁量権を渡すという、ある意味ハードワークな組織文化をこれからも貫いていく以上、何も起きてないから大丈夫だとそのまま進めていくと、間違いなく組織が疲弊してしまうと思うんです。
そのように予見できることを、いかに回避していくかが大切だと思います。
穂積先生: その危機感を持って、行動されているのがすごいなと思います。
高橋さん: 会社としても急激に人数が増えているフェーズですが、同じ作業ができる人が社内に二人いると多いんですよね。かと言って、一人だとリソースが足らなくて、1.5人月がちょうど良いイメージ。
とはいえそんな都合良くもいかないので、0.9人月までは一人で巻き取らないといけない一人親方みたいな働き方に近くなっています。
その中で、「同僚からのサポートがある」と感じている社員が多いという結果は、今回のストレスチェックで良い収穫となりました。
穂積先生: ちなみに担当産業医としても、HDEさんの組織としての健康度は総じて高いと思っていたので、今回の結果は思った通りでした。
高橋さんの懸念もありますが、現状で個々人がマイナスに陥らないような仕事の加減が保てているということはすごく良いことだと思います。
そして、今後推奨していくリモートワークもそうですが、一人親方というような働き方はより促進されていくと感じています。
その際にパフォーマンスが落ちたり、止まったりしない仕組みが健康管理戦略ということですよね?
高橋さん: そうですね。だからこそ、入り口の採用も重要なファクターになります。

健康管理戦略は事業成長に不可欠なピースである

HDEさんで掲げられている健康管理戦略の背景や今後の方向性を、改めて聞かせてください。

高橋さん: 健康管理戦略というのはそれだけを抜き出して考えるものではなくて、事業成長に必要なひとつのピースであって、そのための仕掛けという前提で掲げているものです。事業成長の一環としてフィジカルケア、メンタルケアがあると思っています。
私が4年前に人事としてHDEに入社した際に、最初に強化したのは採用でした。いかにパフォーマンスの良い人を採用するか、いかに強い人材が揃う組織を作り上げられるか、といったところです。
ただ、強い人材と言っても、ずっとパフォーマンスやモチベーションを保つことができるほど人間は強くはないですし、どこかで転ぶこともあると思います。その時のリカバリーの仕組みを作るということは、当初から考えていました。
そういう意味では、健康管理戦略の部分だけにフォーカスすると意味のない施策に見えがちですが、採用から育成、労務管理等々を含めたシナリオを考慮したら、健康管理戦略は無くてはならないピースなんです。
人と組織の成長をいかにドライブさせていくかを考えて実行に移していかないと、事業成長のスピードは鈍化します。その過程で発生する、人や組織に対する細々とした仕事は、基本的に経営陣が進んでやりたいことではないと思っています。
それを人事が代わりにやるのは組織の基本ですし、人事の仕事はどこかが遅れると全体の歯車が狂い始めるものなので、すべてを相互補完的にドライブさせていきたいという想いが強いです。
健康管理戦略においても未だできていない目標に向かって、人事や産業医を始めとしたステークホルダー全員がコミットする必要があると考えています。
また、一人ひとりの社員がいかにしてセルフケアをしながら、パフォーマンスを出していけるか、いかにしてモチベーションを維持していくことができるかが重要だと思っています。すべてはそこに集約されると思っていて、そのために人事として何をしていくかが健康管理戦略の具体的な施策となります。
それは企業というより、社会的に確実にそういう流れになってきている気がしていて、セルフケアができるかは、個人のキャリアとしてこれから必要なことだと思っています。
一人親方として成果が出せるようになるのはもちろんのこと、HDEの一員だからこそのプラスワンが身につけられる環境を整備して、全員が持っているやりたいことを実現させたいというのが、私の想いです。